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馬車にはお母様とお父様が一緒に乗った。




道々にはルミナスの旗が風に揺れている。

この日の為にと綺麗な花が街を彩って、沿道には人がいて、馬車に手を振ったりしてくれてる。



城まで30分。

取りとめもないことを話しながら行くんだ。

途中で、馬の休憩があったけど、定刻に城に入った。


休憩って必要なのかな?まぁ、いいっか。


いつもの部屋ではなくて、大広間の側の部屋に入るんだ。

そこが、ハイヒットの控え室。

控え室にはアンリ兄様達や、ジャック兄ちゃん、もちろんマリ姉ちゃん達も集まった。

お爺様は、なんだか、目が赤い。


「どうしたの?お爺様?」

「いや、な、いよいよフィーが嫁ぐのかとおもうと、な」

「お爺様が心がけて下さったお陰よ?フィーは、お爺様の孫で嬉しいわ」

「そうか?」

「うん!」


お爺様がポポロを脅したり賺したりしてくれたから、何とかここまでこれたんだって。

つい最近、ポポロに聞いた。


「それに、陛下もお爺様の孫になるんだから。孫が増えて嬉しいでしょ?」


あ、と言う顔をした。

え?理解してなかったの?


「そうだな、そうだった。しかし、随分と年を取った孫だな?」

「それに、偉そうよ?」

「そうだな?」

「けどね、お爺様のこと、大切にしてくれてるわ」

「わかっておるよ。フィー、あの王はおまえと会ってから目を覚ました。きっと良い王のままでいるだろう」


嬉しいこと言ってくれるね。

デュークさんに言っておくね、きっと喜ぶよ。


「そうね、そうだといい。ルミナスが平和であってくれれば、それで、いいの」

「大丈夫だよ。じゃがな、フィー。しっかりと王妃を務めるんだぞ?」

「はい」

「大変でも、おまえが選んだ道だ。陛下を信じて、前に進んでいけばいい」

「はい、お爺様」


その時、侍従の声がした。


「お時間です」


私達は部屋を出る。

みんなは式典の会場へ。

私はお父様と一緒に別の場所へ。

いわゆるヴァージンロードを、お父様と歩くんだ。

まだ、ベールは下ろされたままだ。


なんだか、無言で2人でドアの前に立った。


みんなは会場の中に入り、所定の位置に座っている。


教会のようだが、国教扱いの宗教はないので、教会ではないんだ。

言うとするならば、儀式場。

それでも、荘厳な雰囲気を持っているのは歴史が長いからだ。

魔物が最初にルミナスを襲った時も、ここは無事だったんだ。

高い天井が別世界にいる気分にさせるんだよ。


あ、音楽が、鳴った。

この音楽も今日のために、音楽隊が作ってくれたんだって。

凄いよなぁ。


とにかく、いよいよだ。

ドアが開く。




50メートル程先に、デュークさんの姿が見えた。

その姿は、まだ小さい。


「さぁ、行こうか?」

「はい、お父様」


沢山の人達が見守る中、私達はゆっくりと歩き出した。

ここには主だった街や部落の長達が招待されているだって。

もちろん、ガナッシュからもアルホートからも王族や使者が来ている。

参列している人達も、かなりお洒落してるから目の保養だね。


段々とデュークさんが近づいていく。


あれ?デュークさんは少し髪を切ったみたいだ。

若くなったよ?


デュークさんと目が合う。

嬉しくなっちゃう。


私達は同じ生地で作られた衣装を着ている。

私は、裾が長く、生地に真珠とダイヤが散りばめてある。

ベールは細い絹糸を丁寧に編み上げたもので、恐ろしい時間と手間が掛かっている。


デュークさんは王の正装。

正装の時のデュークさんって、本当に格好良いんだ。

だから毎日正装でも良いよ、って言うんだけど、肩が凝るから嫌だって拒否された。

まぁ、私だって毎日この格好じゃ疲れるもんね。

とにかく、いい男度1000%増しです。

惚れ直してますよ、当然じゃん。


ようやく、デュークさんの元に辿り着いた。

私の手をデュークさんに渡すときに、お父様はこう言った。


「陛下、娘を必ず幸せにして下さい。お願い致します」

「約束する。エリフィーヌを幸せにする」

「は、」


そして、私はデュークさんと共に、儀式を見守る司祭の前に進む。

跪いたりはしない。

立ったままで、司祭の前にいる。


「陛下、エリフィーヌ・ハイヒットとの婚姻に異議は?」

「ない」

「エリフィーヌ・ハイヒット、デューク・シレン・ルミナス、ルミナス王との婚姻に、異議は?」

「ありません」


司祭が頷いた。


「今、ここに、この2人の婚姻が成立いたしました!デューク・シレン・ルミナス、エリフィーヌ・カナコ・ルミナスに永久の絆が結ばれたことを、宣言いたします!」


この宣言によって、私達は夫婦となった。

私達は向かい合ったんだ。


「カナコ?」

「はい」

「愛してる」


デュークさんが、ベールを上げて、そっとキスをしてくれた。

婚姻のキスだ。

私はルミナスの王妃になってしまった。


なんか、周りが賑やかだ。

声が聞こえる。

でも、嬉しそうだから、いいっか。




これで、式は終った。







これからが、宴会だ。

宴だ。



城は前の広場が一般に開放された。

そこには屋台がならんで、すでに、お祭り騒ぎになっている。

大道芸人もあちこちで芸を披露してる。

いい匂いと歓声だ。

祭りって気分満載だね。



私達はその広場が見渡せるバルコニーに立った。

昔、テレビで見たことのある王族の結婚式のシーンみたいだ。

人々が歓声を上げて、こちらに手を振ったり、旗を振ったりしてる。

私達はそれに答える様に手を振った。


「凄いわ…」

「みんな、おまえの美しさに見とれてるんだぞ?」

「まぁ、本当?」

「もちろんだ。それを独り占めできる俺は幸せ者だ」


私はデュークさんの瞳を見た。


「ねぇ、キスして?」

「ああ、」


みんなの前で、私達はキスをした。

ロイヤルキスって、奴だね。

凄いな。

日本では一生結婚する予定も無かった私が、こうして、王妃になるなんて。

何が起こるかわからないもんだ。









けどね、世界中で一番幸せだよ!







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