1 落ちる。
いきなり、稲妻が落ちたんだ。
布団の中でスマホ見ていたら、上からズドン!!と落ちてきた。
心臓がドキドキしてるよ。
ホント、死んだか、と思ったよ。
こんなこともあるんだ、人生って、色々さ。
って、思った瞬間だ。
え??
体が浮いた??
ちょと、ちょっとぉ~~~~!
ええ???
吸い上げられるんだぁぁぁぁ!
なんだ、上がっていくんだよ!
えええええ????
どこまで、上がっていくんだぁぁぁ!
トン。
あ、止まった。
なんだ、ここ?
白い??
なんだ?光だ。
光の中にいる??
眩しい…。
光しかない。
全てが、白いんだ。
声が聞こえる。
うん?
声じゃない、なんだろう?
(いや、、わ、、、、だか、、、じかんが、、、、、と、、、、、)
思考が直接頭の中に?
気のせい?
なに?
なに言ってんの?
わからんぞ?
そして、あああああ!
今度は、急に落ちていくよ!
え?
ええええええええええ!
落ちる。
落ちていく。
どこまでも、落ちていくんだ!
怖いよぉ~~~!
いや~~~~~~~~~~!
止めてー!
ストン…。
あ、…、止まった。
止まったよ。
どこも怪我してないみたい…。
なに?この上がったり落ちたりは?
そう、落ちた。
私、落ちたんだ。
けど、どこかから、落ちた?
わからない…。
とりあえずは、無事みたいだ。
良かった…、生きてる。
けど、え?
何?
え?
何かが、おかしい。
誰かが、私の体に…、触れてるって!
目を開けた。
暗い。
暗闇だ。
さっきまでが眩しすぎて、周りが良く見えない。
気のせいか、目の焦点が合ってないかも、…。
いや、見えなくても感覚が…。
感覚があるんだよ、誰かがいるんだ。
耳元で声がした。
「しっかりしろ?」
「え?」
思わず声を上げた。
うん、あげてしまったよ。
誰がいる。
そのぐらいしか、判らない。
目が痛い。
目を閉じる。
閉じたまま、声を聞く。
「また、自分に魔法を落としたな?大丈夫か?」
なに?魔法?
なに寝ぼけたこと、いってんだ?
というよりも、だよ?
私、1人で寝てた筈なのに、なんですぐ側に誰かがいるの?
ありえないでしょ?
なにが、起こったんだ?
「苦しいのか?うん?」
誰かが、触れる。
「ほら、抱いてやるから、」
誰かの肌が、私の肌に触れていて…。
え?私、裸なの?
パジャマ着てたよね?
なんで???
「リリのことは、俺が一番知ってる」
あ、…。
気持ち、いい…。
この状況、説明不可。
ちょっと、急に口が塞がれたよ。
これって、キス???
あ…ン、駄目だ、こんなの初めて…。
思わず、目を開ける。
まだぼやけてるんだ。
誰だよ?
だれ、この人?
「リリ、愛してる」
って、か、私、リリなんかじゃありません。
上条加奈子、ごくありふれた名前ですよ。
って、そこに触れますか!
「あっ!あ…」
「感じるか?」
そう、私、今、見ず知らずの男性と、最中で…。
夢だ、きっと夢に違いない。
ほら、良く言うじゃない、物凄くリアルな夢を見たって。
それよ、それ!
そう思おう、…。
てか、てか、気持ち良いです…。
いいのか、いいのか?
この状況で、リアルに感じてしまっていいのか?
けど、この人止めてくれないし…。
「リリ!」
また名前を呼ばれましたが、くどいようですがリリではない。
「あっ」
あああああ!
私、上条加奈子。
この状況を理解できないまま、名も知らない男の人に抱かれました。
いったい、何が起きているんだ????
本日より連載開始です。
基本、毎日更新となります。よろしくお願い致します。