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陸上輸送

 ヴィルヘルムスハーフェン軍港から、ペンギンの試作機が移送されることになった。

 軍港にある海軍司令部の上級士官のクラウツ准将のような、叩き上げの海軍軍人にとっては、ヘンテコ兵器がいなくなってせいせいしたところだろう。

 はじめから、彼はペンギンには否定的だった。

 ペンギンは、なんとトラックで移動することとなった。軍艦のはしくれでありながら、その総重量は25トンという軽量ゆえ、海上を曳航しなくても輸送できるのは、利点の一つと言えるだろう。

 陸上輸送し、思わぬ所から奇襲をかけるという作戦行動も可能なのではないかなどと、兵員輸送車に揺られながらトラックを追う我々は、新しい兵器の運用について意見を戦わせていた。

 翌朝、我々が解放されたのは、古い港町だった。

 ここはロストックというハンザ同盟の頃からある港町で、水産加工所に偽装したドックが作られていたのであった。

 すでに九隻のペンギンが運び込まれていて、シュルツェンを取り付ける作業や、砲塔後部に機関砲の銃座を設置する作業などが行われていた。

 そこに、ヴィルヘルムスハーフェン軍港でのデモンストレーションに使われた一隻が加わり、最初の作戦群が出来たのだった。

 十隻で、一個作戦群。最終的には最低でも三個作戦群を作る予定らしい。

 それらを統括する司令官になったのは、ディートリッヒ大佐だった。成果が上がればラッキー、ひょっとしらたお笑いで終了かもしれない作戦群に指揮官としておくりこまされたなんて、ディートリッヒ大佐は何をしでかしたのかと、勘ぐりたくなる。

 なにはともあれ、我々はこのロストックの港を拠点にして、戦いの海に赴かなければならない。

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