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世界の次元軸  作者: ヨベ キラセス
第一章 チュートリアル
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過去 -はじまり-

「......で、ここは?」

「はい、ここは『試練の間』です」

「なんか在り来たりな名前だな...」

 と、僕と劣等生こと『ユウ』は、『ワン』と名乗る人物と、とある世界『次元軸』と名乗る世界の近隣にいるらしいが......


「...でも、こんな何もない世界にしか見えないんだけど…てか、本当に移動したの?」

「はい、移動はしました、よ?」

「その『よ?』は信用できないな」

「ああ...」

「ちょ、ちょっと、お二人とも責める時は息が合いますね。もしかして、そういう趣味がー」

「「バカか!!」」

「...そうですよね、すいません......では、話を戻しますね。ここ『次元軸ディメンション・シャフト』は実際」

「「実際...」」


「実際、分からないこと続きです♡」


 ここでアニメとかだと、ズコー!となるだろう。

「はあ?『分からない』だと?」

「はい、だって、ここの『管理者シャフト・リーダー』、私どもは『管理員』、ですら把握出来てないので」

「あれ?その『管理者』が制作したんじゃ」

「ないんですよ、それが」

 と、いきなり手を三回叩いた。すると、ホワイトボードらしきものが出てきた。これには目をむいてしまい、質問せずにはいられない。

「あの〜、この原理は?」

「へ?この原理...この原理っと......ああ、『ジェネレート・システム』の事ですね」

「「ジェネレート・システム?」」

「手を三回叩くこと、ですよね?」

 と、不思議がる。

「そう、それ」

「それは俺らにもできるのか?」

 すると、少し険しくなった。

「はい、多少の制限はありますが...」

「制限?その範囲は?」

 すると、『通じるかな?』という表情で話した。

「範囲は、だいたいその人が出来るかもしれない寿命の範囲です。つまり、その人の一生で完成できるものしか出来ません。まあ、私どもは例外にいますが...」

「じゃあ、三回手を叩くのは?」

「あれは、一回目で制作完成図をインストール、二回目で作成・完成させ、三回目で転送するものです。なので、その間の間隔は、一秒でも一年でも、三回叩かないとリセットされません。それが、『ジェネレート・システム』です。ちなみに、『人を作る』やそれに類するものは制作出来ませんので悪しからず」

「長い説明どうも」

 と、有は一秒間隔で三回叩いた。すると、拳銃が出てきた。

「あのさ、素材とかは?」

「大丈夫です。何処かしこの世界から拝借しているので」

「酷いな、ここは」

 と、試しに僕に向かって、


 タン!




「おお!いいね、この拳銃!」

「僕に当たったらどうするんだ!」

 と、『ジェネレート・システム』で瞬時に出したデカい盾を持ちながら言った。実際頑丈そうな盾が少し窪んでいる

「まあ、当たっててもよかったんだけどな」

「なんだって!」

 と、こちらも拳銃を出した。

「あ?やるのか?」

「ああ、ここで格の違いを教えとこうとね!」

「上等だ、ボケェ!」

「あっ、あの〜、だから喧嘩はー」

「「黙れ!システムの奴隷!!」」


 ......ピキッ!


「この馬鹿者がァァァ!」

 あれ?これってデジャヴ?


ガシャン





 ......起きなさい

 ふと、声がした。それは少女の清んだ声のように聞こ––––

「それはもういい!!」


 バコッ!



「...で、本題に戻して、そのホワイトボードを何に使うの?」

 と、コブのできた頭を摩りながら、質問した。

「はい、これから『管理員』や『管理者』、『制作者』について説明、したかったのにあなた達は」

「「...すんません」」

 と、詫びた。


「では、まず『制作者』についてですが...」

 と、ボードに【制作者】と書き、そこにまるまると囲った。

「…『制作者』は、事実誰一人として知らないのです。ただ、二人を除いては…」

 と、ボードにその二人、【管理者】と【ワン】と書いた。そして、二人をまるまると囲い、矢印を引いた。

「…この『製作者』は、『剣城ケンジョウ 策士サクシ』と言い、彼は物作りが得意で、作るものに関しては、右に出るものがいませんでした。ちなみに、『管理者』は、『次元ジゲン 杜氏トウジ』といい、色々な不思議を探究する人でした」

 と、【管理者】と【制作者】の文字を消し、【次元】と【剣城】と書き直した。

「そんな彼らが出会ったのは、大学の頃と聞いています。彼らは、よく放課後はイタズラをしては怒られ続きで、数えたらきりがないようです」

「…よく、退学にならなかったな」

「はい、イタズラの数よりも点数が上でしたから」

「…世界って」

「理不尽だ…」

 この世界を見て、テンションが下がる一面を知ってしまった。

「まあまあ……でも、剣城さんは卒業後、行方不明になりました」

「「行方不明!?」」

在り来たりな平凡がいきなり消える一言だった。

「はい、彼は卒業式後、自宅に戻ることなく失踪しました。剣城さんと最後にあってた次元様はー」

「ちょ、ちょ待て!?今、次元『』!?」

「はい、剣城様とのことはおいおい説明いたします……ポッ♡」

「おい、イラつくんだけど!」

 と、恋する少女的な顔をするワンにイライラする俺と赤坂であった。

「オホン…で、次元様は、ただ他愛のない話をしたと答えたそうです」

 そして、いきなり真剣な顔になって、

「そんな彼らが再会したのは、偶然ではありませんでした。いえ、偶然であるべきでした……」

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