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犠牲者(14)
「いこ!遅刻しちゃう」
恵怜奈は自然とネディの手を握って歩き出した。
今はじめて怜奈は自分からネディと手をつないだ。
穏やかな朝の通学路。
しかし恵怜奈の幸せな時間は長くは続かなかった。
「おはようございます」
突然背後で聞こえた挨拶にネディと恵怜奈が振り返ると
そこには微笑みを湛えた紳士が立っていた。
「あはようございます。気持ちの良い朝ですねぇ」
慇懃無礼な挨拶。
誰だろう?
恵怜奈が不安になってネディをちらっと見ると
先ほどまでと少し違う緊張した横顔が見えた。




