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犠牲者(3)
銀色の髪の毛は自分のものだった。
なぜ色の違う髪の毛が自分に生えているのか
恵怜奈には不思議だったが
理由は分からなかった。
白髪だろうか?
いや違う。
白髪が生えてくるには恵怜奈はまだ若すぎる。
白髪が生えてくるわけがない。
でも恵怜奈はこの髪の毛どこかで見たことがあると思った。
その時恵怜奈の恵怜奈の心の中に
小さな疑惑が生まれる。
夢。
そう。
恵怜奈が夢の中で見た少女の髪の毛。
あの少女の銀色の髪の毛とそっくりなのだ。
恵怜奈の脳裏に全身を返り血で染めた少女が
無邪気に笑っている姿が頭の中に浮かんでくる。
でもどうしてその少女の髪とそっくりな毛が
恵怜奈の髪に紛れ込んでいるのか?
恵怜奈の髪にまぎれて
銀色の怪しい光を放つ一本の髪の毛を見て
気味が悪くなってくる恵怜奈。
その時部屋のドアが乱暴に開けられる音がした。
ビクッとなって振り向く恵怜奈。
「大変よ!」
ドアの前には母親が立っていた。
「魔物に襲われて…死んだ人が出たらしいわ」




