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DNA(2)
三人分のお箸を並べると母親の声がまた聞こえる。
「もう一膳並べてくれる?」
あれ?誰か来るのかな?
そう思う恵怜奈だったが黙ってもう一膳お箸を並べた。
母親の鼻歌が聞こえる。
何故だか上機嫌みたいだ。
父親が帰ってきた。
スーツを脱ぐ父親の後ろ姿もなんだか
そわそわしている様子。
一体今から何が始まるんだろう?
おかずをテーブルに並べる母の顔を見てギョッとする恵怜奈。
いつもの夕食時にはありえない母の化粧した顔が見えたからだ。
父親もいつもの伸びきったジャージではなく
小奇麗なシャツを着ている。
これでお客さんが来ることはもう確定だろう。
でもいったい誰が来るんだろう?
その時玄関のチャイムが高らかに鳴り響いた。
母親が玄関へと向かって行く。
恵怜奈は少し緊張した。




