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ファンタジー(11)
制服姿の警察官たちが恵怜奈の部屋になだれ込んできて
色々な所を写真に撮ったり
証拠となりそうなものをビニール袋に入れている。
刑事には何度も同じことを聞かれた。
でも恵怜奈はわからないを繰り返すばかり。
だって本当に分からないんだからしょうがない。
なぜ魔物に狙われるのかも分からないんだから
本当に恵怜奈は困っていた。
その時恵怜奈は風が動いたと思った。
誰かが部屋に入ってきたのだ。
「失礼します」
その声を聞いた瞬間恵怜奈は胸が躍った。
荒れ果てた部屋にジネディーヌが現れたのだ。
ジネディーヌは黙って部屋の惨状を凝視している。
ジネディーヌは彼氏ではない。
家族でも友達ですらもない。
ただ数回声を掛けられただけ。
とんでもなく薄い関係。
でも恵怜奈の胸は今最高に高鳴っている。
「ご苦労様です」
警官たちがジネディーヌに敬礼をしている。
敬礼に笑みを添えて答えるジネディーヌ。
「魔が忍び寄っていますね」
そう一言つぶやくとジネディーヌは
虫めがねを取り出し部屋中をくまなく調べ出した。




