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監禁(21)
「東雲流祓魔術に呪文、魔道具は一切ありはしない」
ネディは静かに己が両手を天馬署長にかざす。
「ただこの両の掌があるのみ。天馬署長。
あなたにはどちらの手がお似合いか?
神の慈悲を司る左手か?それとも…」
ネディは右手を力強く天馬署長に突き出した。
「すべての悪を焼き尽くすこの右手か?
さあ…天地の理に従い選ぶがよい」
「想定内」
天馬署長はネディの裁きに顔色ひとつ変えずこう答えた。
「もちろんキミが現れるのは分かっていましたよ。
私の部下程度ではなすすべもなく
キミの左手に眠らされているでしょうからね。
難なくキミは進入できると言うわけだ。
でも分かっているはず。
私が何の備えも無しにキミをお迎えするはずがないことを」
天馬署長が怪しい歌を
これまでになく激しく歌い始めた。




