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監禁(12)
「その絶望の顔。虚脱感に満ちた絶望の顔が
私の大好物なのだよ。
さあ…もっと絶望してみろ。
もっと泣け。
いかに自分が価値の無い人間だと思い知れ。
ははは……」
恵怜奈は床に倒れたまま動かなくなった。
お気に入りのおもちゃが動かなくなって
気に入らない天馬署長。
「そうか、無視か。それならこれは無視できるかな?」
署長は大きく息を吸い込んで異様な声を出し始めた。
歌なのか叫びなのかどっちとも取れる声。
男の声とも女の声とも取れる無気味な声。
どこかアジアンテイストで物悲しい旋律。
恵怜奈はその声に聞きおぼえがあった。
「あ…あのときの歌声」
全身をわなわなとふるわせて恐怖する怜奈。
再び署長がにやりと笑う。




