105/202
監禁(10)
「そ…そんなわけない…」
下を向きかすれた小さな声でつぶやく恵怜奈。
「ウソじゃない。<宿主>と遭遇した人間は高く売れるんだ。
宿主と遭遇して生きている人間は非常に珍しい。
場合によっては数億のオファーを出す所もあるだろう」
心理的にも完全に優位に立った天馬署長。
恵怜奈の腕をつかみ手をねじり上げる。
恵怜奈はなすすべもなくうなだれたまま。
恵怜奈は署長の言っていることが全く理解できない。
宿主?オファー?
何のことだろう?
しかしひとつだけ理解できたことがある。
それは自分に値段が付いているということ。
たくさんの大人たちが
自分の体に競って値段を付けている。
一億…二億…
恵怜奈はたった今
自分が人間から、店に並ぶ商品の様に値段が付く
<物>に転落したことを認識した。




