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第四十一話

 「これはレフィーユさん、お疲れ様です」


 資料室にてレフィーユは、アラバの調べていたであろう資料を調べようとゼジに許可をもらい、早朝から取り掛かろうとするとゼジは聞いて来た。


 「オルナさんの事件を調べたいとの事でしたが、どうして生徒の名簿まで調べようとしているのです?」


 「一度、調べた資料を調べ直すのもな。


 そこでアラバが映っている監視カメラの映像を見せてもらった。


 何を読んでいたかは拡大してもわからなかったが、特徴からして、この名簿まで見ていたのが、気になっただけだ。


 どうした、ゼジ?」


 「私の方には、そんな連絡はなかったので」


 「もしかして、そういう事でも連絡しなければならないのか?」


 「ええ、規則です…」


 「私の勝手でやった事だ。


 処分なら後で受けよう」


 そう言って、レフィーユはさっそくと資料を調べようとするが、ゼジは聞いて来た。


 「あのう、少しよろしいです?」


 「なんだ?」


 「私は貴女が優秀なリーダーであるのは私は、知っているつもりなのです…」


 「言いたい事があるなら、はっきり言えばいい」


 「部下に対して、あの態度は良く無いと思ったのです」


 レフィーユはさすがに調べる手が止まった。


 「確かにイワト達には悪い事をしたとは思う。


 だが、私の判断は間違いではないと思っている」


 「ですが周囲も、私も事件当時の彼の対応は、仕方が無かったモノと思ってます。


 それほど重大な事、何でしょうか?」


 嫌味に感じたのか、レフィーユは資料を勢い良く閉じて言い放つ。


 「だが、この事件の関係者だ」


 「それは間違いない事なのです?」


 ゼジは少し驚いたように、レフィーユを見たが彼女は監視カメラをじっと見て言った。


 「もともと先の質問には逃げ道があった」


 「逃げ道ですか?」


 「『応急処置のやり方を知らなかった』と言えば、私は解放するつもりだった」


 「ですが、彼の応急処置はAクラスだと、貴女も先の授業で言っていたではありませんか?」


 「二年前にまでは、無かった能力だとすれば?」


 「どういう事でしょうか?」


 「人間の能力が特化するというのは、何かしらの理由が必要だ。


 私の場合、自分が親の七光りで、治安部のリーダーを務めていると思われたくないが故に、鍛練を積んだ。


 そしてお前も、心理学に特化するのにも理由があったはずだ?」


 ゼジは黙り込むのを見て、レフィーユはあながちセルフィの言っていた事は間違いではないのだろうなと感じ取る中、ゼジは言う。


 「では、アラバさんはジーナさんを助けられなかったから、その応急処置は特化するようになったと言いたいのですか?」


 「だからこそ、何かしらの関係があったと見て間違いないだろう」


 レフィーユは頷きながらも、こうも言った。


 「いや、事はもっと重大かも知れんな」


 「どうしてです?


 貴女の推理は納得できますが?」


 「何故、黙る必要があるのかと考えればな…」


 「それこそ、かんぐり過ぎです。


 私どもは、アラバさんが関係者だという方面を調べればいいでしょう?」


 『さっそく、手配をします』とゼジは嬉々としていた。


 もし、ここに誰かがいたら周囲もそれに流されていただろう。


 しかし、


 「ゼジ、お前は本当にそれで良いと思っているのか?」 


 レフィーユはとても冷たく言い放った。


 「どうもお前は、全体を見渡す事ができないようだな?」


 「私は、合理的に事を解決に向かわせたいだけです」


 「アラバはビルの下にいた。


 あの男が事件当時、落ちてきた場所を見上げた時、魔法使いではなかったら、どうするつもりだ?」


 レフィーユは周囲を伺って言うのは、気を使ったのだろう。


 「…残された関係者は、オルナという事になるのだぞ?」


 「オルナさんを疑っているのですか?


 馬鹿な事を言わないで下さい。


 妹を手に掛けたというのですか?」


 「私とて、こんな馬鹿げた話、リーダー同士ではないと話す気も無い。


 だが、アラバがもし、そう答えてしまえば、お前たちは今まで見当違いを調べていた言う事になる。


 そういう事は、治安部としてあってはならん」



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