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第十八話

 そんな中をまたもやユカリが、追っかけてきたので答えた。


 「あの双子だ。


 兄のキリウの西方術『雷』が、電動車のエネルギーに変換させて、燃料を補給したのだろう」


 「そんなの聞いたことはありませんわ」


 「さすが西方術者だ。


 その通り、電池に雷を落として補給できるワケがない…」


 そう言って、レフィーユはユカリの胸の辺りを指差すので、


 「お、お姉さま?」


 ユカリの顔を紅くなる。


 「西方術者というのは、集中する箇所によって紡ぎ出される場所によって、出力が弱まったり、強くなったりするのは知っているな?」


 『そこに西方術を使え』と言っているのだろうか、ユカリは迷うが答えた。


 「は、はい、西方術者でしたら当然ですわ」


 「ヤツらは、最も最小に『雷』を、電気と言えるほどのエネルギーにする事を実現して、道具を用いる事で成功したと話で聞いた事がある。


 西方術をエネルギー転化するなど、夢のような話だ。


 まさかホントだとは思えなかったが、今回ばかりは私の燃料関係の完備する体勢が仇となったようだ」


 そうレフィーユは自嘲したが、


 「ふっ、まったく厄介な連中だ」


 その顔には笑みがある。


 「総員、私と来るモノは追撃班となれ、後は先回りして私と挟撃するぞ」


 そう言ってレフィーユは、いつも通り先陣を切って行った。


 ……。


 「しかし、まさかこんな事で電気系統をコントロール出来るとは、レフィーユさんも思いもしないでしょうね」


 アラバは、そう言うがこれは雷の西方術者、キリウに対する思いやりも含まれている。


 「アラバ、だったら目をそらすなよ」


 「すいません、今の貴方の顔を見たら…」


 どこかで解説があったのだろうが、自分達はこのキリウの『雷』が、最も燃料に適した出力調節出来る場所を発見していた。


 その場所は、言ってみると鼻から鼻先と言える数センチくらいを集中する事にある。


 当然、それだけでは雷を電力に変えて調整は出来るワケがない…。


 どこかで解説があったのだろうが…。


 キリウはある道具を用いる事で成功した。


 プラグ…言ってみれば、コンセントである。


 鼻の穴は、二つ。


 このコンセントにある。


 金具部分も、二つ。


 彼の名誉のためにどこに何を刺したのか…。


 あえて言わないが…。


 「すいません、笑っていいですか?」


 「まさか発電キャラが、いつかやる事をお前がやるとはのう…」


 イワトもさすがに豪快に笑う事が出来ないでいた。


 この姿には哀愁すら感じたらしい。


 「ところでガトウは大丈夫なんか?」


 「仕方ありませんよ、指揮系統を失ったのは痛いですが、今の彼はもう彼女の機嫌を直す事しか頭にありませんから、放っておくしかないでしょう」


 「あれ、どしたんよ。アラバ?」


 そして、自分が周囲を注意深く見ているのが、サイトは感じたのか聞いて来た。


 「そろそろ、作戦通り、二手に分かれた方が良い頃合いと思いましてね」


 「今さっきまで旅館にいたんやろ。


 いくらレフィーユさんでも、まだ来ないと思うけどな?」


 「その油断で、いつもやられてるんじゃないですか、とりあえず私は出ますよ」


 「わ、わ、ちょっと待ってくれ、わしも出る」 


 そう言って、わき道に車を止めてくれたので車から出て、しばらく走っているとサイトは言った。


 「考えすぎやと思うけどな…。


 おっ、しばらく止まっていた所為か、少しは動くようになっとる」


 サイトはキリウに感謝して、バックミラーで確認すると、身体を硬直させた。


 「どうしたの…?」


 サイトはただ絶句していたので、シリウが兄に変わって聞いたが、この間で一台のバイクが横切る。


 「うそ…」


 ボンッ!


 その呟きと同時だろうか、タイヤがパンクして車体が前に傾く。


 「やばっ!!」


 サイトは慌ててブレーキをかけて、やむ終えず車を止める事になった。


 「くぅ、レフィーユさん、もう少し手加減してや?」


 「ふっ、何の事だ?」


 「車のタイヤなんて、こんな都合よくパンクするもんやないで、手に刃物握った人間がとぼけんでほしいわ?」


 「勝手にパンクしたのだろう。


 西方術によるエネルギー還元を実現したとはいえ、はやり人力だな。


 後ろから、原付の制限速度並みにノロノロと動く車の姿があったのでな、おかげで刺しやすかったよ」


 「刺した言うとるし…」


 キリウ、シリウが出てくる頃には、背後から車の群れが迫って来た。


 「アラバとイワトの姿が見えんようだが?」


 当然、レフィーユが聞いていたが、これは後ろからやって来る援軍に対する時間稼ぎでもある事にサイトが、それにようやく気付き舌打ち混じりに言う。


 「ああ、レフィーユさんをなめたらあかんと、先に別で逃げたで?」


 「…なるほど、勘の良い。


 では、お前は足止めというワケか?」


 レフィーユは、目の前にいる男がゆっくりと間合いに入って来たのを感じた。



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