‐序章‐
初めて投稿します^^
マイナスイオンです。
誤字脱字の指摘、感想などじゃんじゃん受け付けています!
突然だけど、ぼくの名前は夏月凛々。
一人称と名前の性別が一致しなくて困惑するかもしれないが、ぼくはれっきとした女子だ。
ぼくはれっきとした女子だ。
♀だ。
大事なことなので3回言ってみた。
ぼくは訳あってこの『私立王刻学園高等学校』に入学することになった。
それはもう、ここに至るまでは地獄のような日々だった。
ぼくは決して頭が悪いわけではなかったが、時期も時期。この学校への進学を決定したのは、入学試験の2ヶ月前。
そこから血の滲むような努力に努力を重ね、ようやく入学する権利を手に入れたのだった。
今日は入学式から3日が経過し、4月12日。
といってもわが校は授業開始から3日間は親睦を深めるためにオリエンテーションとなっているため、実質の授業開始は明後日となっている。
寮の窓から外の木々を眺めながら、襟元のタイを締める。
昨日行われたクラス委員决めによって、ぼくは見事に委員長となってしまった。別段やりたくてやったわけじゃないし、自分から立候補したわけでもない。
ぼくと同じ中学校出身で現在同じクラスの友達、瑠璃色一葉の推薦によってぼくは予想外のクラス委員長という職についてしまった。
できるだけ目立ちたくはなかったんだけどなぁ…。
「やっふぉー凛々ー。起きてるー?」
噂をすればなんじゃらほい、というやつか。
ドアがキィ...と開き、瑠璃色一葉が現れる。
「一葉、ドアを開けるときはノックはしなさいとあれほど言ったじゃないか…」
髪留めをベッドから人差し指で拾い上げ、もはや一葉に一体何度したかも分からない注意を促す。
「バっカだなー。そんなことしちゃったら凛々のポロリが見えないよー」
「見せないっ。本気で気配を読む忍術とか習得しようかな…」
一葉は微笑し、ぼくのベッドにゆっくりと腰をかける。スカートをまくる仕草がとても美しく見えた。
そしてそのまま横になる。
「でも、まさか凛々が委員長になっちゃうなんてねぇ…」
「何言ってるんだ。勝手に推薦したのは一葉だろー……」
ぼくは髪を頭の後ろで結びながら、ベッドに横たわる一葉の聞捨てならない台詞に突っ込みを入れた。
「別にいいんだよ、才能があるのに使わないなんてもったいないよー」
「才能って何の才能だよぅ…」
「なんだろねっ。でも他に立候補者がいなかったってのは不思議だよね」
「うん。普通、クラスには目立ちたがり屋が一人や二人はいるよね」
「副委員長は一発立候補で決まったけどね。誰だっけ?あの男子」
「真川秀作だよ」
真川秀作。出席番号7番、出身中学は私立光律中学校。
だったハズ。
入学式の日からぼくに話しかけてきた唯一の男子だ。
ちなみに、ぼくは口調・性格・身体的スペックからよく男子みたいだと言われるけれど、基本的にはか弱く可愛らしい少女なのだ。自分で言うのもなんだけど。
「相変わらず、すごい記憶力だねー。ひょっとしてクラスメイトの名前全員覚えてる?」
「ん、名前と顔が一致する程度にはね。そこまで凄くはないよ、意識して覚えれば簡単。たぶんコツさえ分かれば一葉でも出来るようになるよ」
「できるとしてもやらなくていいや。めんどくさそうだしね…」
「本当に簡単なんだけどなぁ…」
一葉はかるくぼくの枕を弄ると、勢いよくベッドから起き上がった。
「さって、と。今何時???あ、言わなくていいよ。昨日お母さんに携帯買ってもらったんだー♪後でメアド交換しよっ?」
通学カバンのポケットの中から携帯電話を取り出し、時間を確認する一葉。
備え付けの壁掛け時計があるよ、だなんてとても言えない。
今は午前7時20分だ。
「えー…と、19時20分か。えーと12引いたら……、7時20分か」
その時計は12時間ずれているよ。
ぼくは一葉を冷ややかな視線で眺める。一葉は僕の視線に気づくやいなや、「えへへっ、ガラケーだよっ♪」と携帯電話を見せびらかす。
スマートフォンならともかく、あえてガラパゴス携帯であることを自慢する必要はあるんだろうか?
ちなみにぼくは中学時代から同じ携帯電話を使用しているため、もちろんスマートフォンではない。
「うん。まだちょっと時間が余ってるけど、そろそろ教室に行こうか。余裕はある方がいいしね」
この時間からだと余裕で一番乗りだろう。
始業時間は8時35分。1時間以上の余裕だ。
一葉との雑談で潰そう。
せっかくクラス委員長になったのだ。これからは1番乗り登校を続けていこうかな。
一葉は「うん」と1回頷き、部屋を出るぼくの後をついてきた。
どうでしょうか?
個人的には、文章について試行錯誤をしたつもりです。
今作は僕の初作品になります。
主人公は斬新なキャラクターにしよう…と、考えに考え抜いた結果、女性という方向に流れていきました。
誤字脱字などあれば報告お願いします。
感想お待ちしてます!