百合は遊びだよ!?
遊びで百合したい生徒会長、
ガチで百合してくる陰キャ後輩。
嫌われたい話。
「部屋を見せ合いませんか? 先輩」
後輩ちゃんが言ってくる。
腕を絡ませ、甘い口調で。
残念だけど、まだ登校時間なんだよなぁ。
「部屋?
私の部屋を見て、何かいいことあるのかな」
苦笑いしながら、私は返す。
「だって、するじゃないですか、結婚。約束したじゃないですか、結婚」
「あはは、ソウダネー」
遊びで言ったんだけどなー、てか、新入生の女子には全員言ったんだけどなー、生徒会長という立場を利用して。
私にとって、百合は遊びなんだけど。高校生活の楽しい青春、百合。
ま、いいや。
「じゃあ、今日、学校が終わったら見せ合おうか」
「結婚するために、ですね」
「ソウダネー」
絶対いちゃもんつけて嫌いになってやる。
ガチで百合してくるこの後輩ちゃんに嫌われたい。
「どうぞ」
「じゃあ、お邪魔するね」
私は微笑んで言う。
「はい」
ガチャッ.
やべえ、部屋の鍵を閉められた。
「何か」
「い、いや、何でも」
慌てて首を橫に振る。
さーて、いちゃもんつける、
…。
「綺麗だね」
「私がですか?」
「部屋も綺麗だね」
「結婚したら助かりますよね、やっぱり。部屋を綺麗にする人」
くそっ、嫌いになれねえ…!
髪が長いし、雰囲気も大人しめだから、陰キャって感じなんだけど。
本がごちゃごちゃって感じでもなければ、机の方…は無視して、汚いっていう感じが全くしない。
「けど、当たり前なのかもしれませんね、私たちは高校生なので」
「ははは」
「次は先輩の部屋、ですね」
「本当に来るの?」
「はい、家をちゃんと覚えますね」
行きたくない、教えたくない。
「所で机の上にある写真、可愛くありません?」
「ソウダネー」
「先輩の隠し撮りです、たくさん撮りました」
マジで嫌いになってくれないかな、この子。
百合は遊びだよ!?
結婚しようって言った私が悪いんだけど、まさかガチで百合してくるとは…。
まあ、いいや、いい。
私の部屋を見たらきっと…。
「こ、これは…」
よしっ。
「ごめんね、失望した?
本当にごめん、急だったからいつも通りの感じで」
絶句する後輩ちゃん。
私は心の中でほくそ笑む。
飲み終わったペットボトルが大量に転がっている、
なんとかして寝るベッド、
机の上には本が積まれている。
よし、嫌われた。この子は陰キャだから言いふらすこともないだろう、多分。恥ずかしいけど嫌われたならよし!
学校では勉強できる運動もできる清楚は生徒会長だけど、実は面倒臭がりや。副会長の男子も知らない秘密。
知られたけど、嫌われたなら構わない!
「凄いですね」
「ごめんね」
「私が管理してあげないと、困りますね」
「は?」
「結婚したら私が掃除してあげますね、結婚するまでは毎週来て掃除してあげますね。がさつな先輩も可愛いです」
ハートマークがつくくらい、うっとりと。
毎日掃除しよう。
後輩ちゃんが嫌いになってくれない!
読んで頂き、ありがとうございました。




