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笑顔のガーベラ

作者:

私はお花屋さんで働いています

毎週水曜日、小さな子供がお母さんと手を繋いで

ガーベラの花を買いにきます

ニコニコしてるこの親子の笑顔が私は好きです

その笑顔が私の働くやりがいになっています


ある日、突然その親子は来なくなってしまいました

どこかへ引っ越してしまったのか、

近くにある他のお花屋さんへ通うようになったのか

真相は分かりませんが、

あの笑顔が見れなくなると考えると

とても悲しいような寂しい気持ちになります


ですが数週間したある日、

小さな女の子がお店に来てくれました

ところがお母さんの姿が見えません

小さな女の子は20円を私に差し出して

「ガーベラひとつください」と言いました

私のお店のガーベラの定価は80円

お金が足りなくて買えないということを伝えると

小さな女の子は泣きそうな顔で

「おかあさんに笑ってほしいの」と言いました

君が泣いちゃうとお母さんも悲しいだろうと思い

残りの60円は私が負担して

小さな女の子にガーベラのお花をあげました

女の子はいつもの笑顔で「ありがとう」と言って

お店を出ていきました


いつか元気になったお母さんと

また来てくれる事を楽しみにして

私は頑張ってお仕事をしました


でもやってきたのは涙でボロボロなお母さんと警察官

いつもの小さな女の子は

誘拐されたのか行方不明になってしまったそうです

お母さんに笑顔になってほしいと買ったお花は

道路の端にぽつんと落ちていて

最後に防犯カメラに映った女の子は

いつもの笑顔でお花を大事そうに持っていました


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