[鳥が飛んじゃう300字小説]曇りのち笑顔
ゆるーく読んでください。
「ほら行くよ。」
靴を履く僕を急かす。急いで外に出ると、
「いい天気だね。お出かけするには最高だね。」
君の笑顔が太陽と重なる。僕は返事をしない。彼女に嘘をつくとすぐにバレる。
前に傘を持っていると嘘をついたら、彼女が不機嫌そうに傘を2本持って迎えに来た。
「嘘をつく関係でいいの?」
傘越しのこの言葉に背中を針で刺されたようだった。それ以来彼女に嘘はつかない。
「ねえ、何か言ってよ。私だけ喋ってるよ。」
「晴れもいいけど僕は曇りが好きだな。」
彼女は一瞬止まり、口だけ先に動く。
「どうして?」
僕は黙ったまま、先に進む。言ってしまえば君は調子に乗るかな。それとも照れるかな。
「一番君の笑顔が見えるのは曇りだからね。」
天気って人によって好みがすごく分かれますよね。そんな僕も曇りが好きです。みなさんはどの天気が好きですかって聞いても返答方法がないので聞きません。あーした天気になーれ