表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソロモンの子  作者: 神坊
第一章 覚醒
2/6

第一話 変わらない日常

これから本編がスタートするのでよろしくお願いします。



『リリリ、リリリ、リリリ』


 目覚まし時計のアラームで目が覚めた。


 目覚めてすぐに思うこと、感じることはいつもと変わらない、退屈で何もかもが全て嫌な現実。

 誰も、何も無い場所へ行きたいと、ただ子供じみた思いを頭の中で毎日毎日何回も何回も言う日々。

 毎日重い足を上げながら、身体の気怠さを振り払いながら起き上がる。この気持ちを誰にも打ち明けずに…


 そんなことを考えながらベッドから起き上がり、階段を降り一階へと行く。


 一階に行くと、そこでは二人の女性がテーブルを囲みながら楽しそうに食事をしていた。すると一人の女性が僕に気づいた様で元気で明るい挨拶をしてきた。


「あら、シンくんおはよう。」


「…………」


 相変わらずエリさんは朝ごはん中にも関わらず、立ち上がって元気な挨拶をしながらこちらへ来た。


「おはようございます、エリさん。………ミアちゃんも。」


 僕の名前はシン・アリステア。何の変哲もない普通の学生だ。


 そして今、僕の前に来ようとしているこの元気の塊の様な女性はエリ・アリステア(通称エリさん)。目や髪は綺麗な赤色で、スタイルも良く、容姿も良い美女だがどこか抜けているところのある人で、今の僕の親代わりの様な人だ。元ゾルティア魔法剣術学校の成績優秀生徒だった。そして、いまはAクラスの担任をしている。


 そして隣にいるのが妹のミア・アリステア(通称ミアちゃん)。エリさんと同じ綺麗な赤色の目や髪をしていて、こちらも綺麗な容姿でスタイルも良い美女だ。


 エリさんがこちらに来ると、おでこをデコピンしてきた。そして、


「シンくん、もう学生だから分かると思うけどあんまり夜遊びはだめだよ〜。どこで何をして来たのかは聞かないけど、学校のことをおろそかにすると退学になっちゃうかもしれないから気をつけるのよ?」


 と言った。


「はい。すみません。」


 これには何も言い返せない。それに僕は……


 そう考えているとエリさんは、


「分かったならいいわ。私は学校へ行くけど二人共遅刻しないようにね。シンくんはパンだけでもいいから食べなよ?何も食べないと身体持たないからね。」


 と言うとエリさんは食べ終わった食器を片付けて、身支度をして家を出ていった。


 エリさんが出てすぐにミアちゃんも朝ごはんを食べ終わり、無言で支度を済ませて出ていった。 ―


「昔はよく喋ってくれたんだけどな…」


 させて昔のことを思い出していると………


『ゴーン、ゴーン、ゴーン』

 と鐘が鳴る音が聞こえてきた。


(ヤバ、8時30分の鐘だ!急がなきゃ!)


 そしてすぐに制服に着替えてパンのを食べながら家を出ていった。


 ◇◇◇◇◇◇


 なんとか間に合った…


 ここはゾルティア冒険者学園。

 ハルドバッド王国の第二エリア中枢にありスエル大陸で一番有名冒険者の輩出が多いこの学校は、創立から1900年も経った今でも外観や内装が魔法によって作られたままの形を保っている。またこの学校は6階建てで北から北棟、中央棟、南棟と繋がってコの字に造られている。一階からSクラス、Aクラス、Bクラス

 Cクラス、Dクラス、Eクラスに分かれている。


 ちなみに僕はEクラスで、その中でも「最底辺」つまり落ちこぼれの中の落ちこぼれだ。

 もちろん最底辺だからクラスからの当たりも強くEクラスに入ると…


「また来たのかよ「最底辺」。」「魔法も使えない、剣術もダメでよくこの学校に入れたよな。」「しかもユニークスキルが「 」(くうはく)とかもう人生終わりじゃん。」「ほんとそれなー。」


 などの非難の声が聞こえてくるのはいつものことで、

(今日もか、まぁもう慣れたけど…)

 そしてしばらくすると担任の教師が入って来て、

 ―

「座れお前達。これからHRをはじめる。」


 そしてここからいつもの最低、最悪な学校生活が始まる。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 そして短いHRが終わり次の授業の準備をしていると、一人の生徒が取り巻き二人を連れてこちらに来て言った。


「よう、最低辺。まだここにいるんだな。」


「ルイス………」


 彼の名前はルイス・ヴァール。

 身長は180センチ越えの大柄で、Eクラスの中で一番強く、一番僕に当たらが強い。また珍しいユニークスキルを持っていて唖然はCクラスにいた。しかし、プライドが高く舐めた態度を取ると容赦無く暴行を加えたりなどからEクラスに降格された。


「いい加減出ていったらどうだ?お前みたいな奴がいると俺たちまで同じレベルに見られるだろうが。」


「そうだそうだ!」「早く出ていけよ!」


「そうだ!()()俺が1時間目の実技の相手してやるよ。これでお前も少しは強くなるだろ?まぁ、前みたいに途中で気絶すんなよ?お前いつもノロマだから気絶してても気づかないんだよ。だから前みたいにボコボコにしたらごめんな?」


 そう言うとルイス達は笑いながら、実技訓練所へと向かって行った。


(………くそ)


 僕はやり切らない思いを我慢して、実技訓練所へと向かった。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 実技訓練所へ来てまず一番にやることはステータスの更新だ。


「まずは、男女に別かれて鑑定水晶触ってステータスの更新をするんだ。そして、更新したステータスを紙に書いて渡してくれ。」


 そう実技の担当の教師が言うとみんながステータスを更新する為に並んだ。


 そして僕の番が来て鑑定水晶に触れてステータスを更新する。すると空中にステータスが浮かび上がった。



 ―――――――――――――――――――

 シン・アリステア 16歳  ランク : 0

 レベル:8      

 SP:1 5

 MP:2

 HP:7 6 / 7 6      

 攻撃力:2 8

 耐久力:2 9

 速 度:2 4

 知 性:2 4

 精神力:20

 幸 運:2

 ユニークスキル:【  】【  】

 スキル:身体強化LV1・初級魔法LV 1

 ―――――――――――――――――

(僕は弱いな。)


 どれだけ努力したって無駄なんだ。


 そう実感しながら教師にステータスの書いてある紙を渡した。


 僕のステータスを見た教師が、

「フッ」

 と、見下す様に笑った。


(まぁ、流石に何回もやられて慣れたな。)


 そう考えていると、


「ルイスさん凄いっすね!」「流石ルイスさんです。」

 と言う声が聞こえた。


 声の主の方へ行くと、ルイスのステータスが映し出されていた。

 ―――――――――――――――――


 ルイス・ヴァール 16歳 男 ランク:1

 レベル:158

 SP:710

 HP:2650/2650   

  MP:1730/1730        

 攻撃力:1350

 耐久力:1297

 速 度:1354

 知 性:1234

 精神力:1295

 幸 運:210

 ユニークスキル:【豪雷天神(トール)】《権能:雷系魔法の発動時間短縮:雷系魔法の威力増大:雷系魔法の攻撃無効》

 スキル:「身体強化」「剛力」「高速移動」「魔力回復」「思考加速」


 ―――――――――――――――――


 と、まるで2年生とは思えない桁外れな内容だった。

 そして数あるユニークスキルの中でも一番凄い()()()を授かったユニークスキル【豪雷天神(トール)】はもっと規格外なスキルだった。


「ルイスさん凄いっす。」「流石ルイスさんですね。」「流石ヴァールさん、凄い。」


 などの声がそこら中から聞こえてくる。


(僕にもあれくらいの力があったらな…)


 そんな事を考えていると、


「君たち早くステータス更新紙を出しなさい。しなさい。実技の授業が出来ないだろう。」


 総教師が言うとさっきまでの騒ぎが嘘の様に静まり返って、並び始めた。そして全員の更新紙提出が終わり実技の授業に入っていく。



「これで説明は以上だ。それじゃあ二人一組になって模擬戦闘を始めてもらう。」


 教師の長い説明が終わるとみんなそれぞれペアを組み始めた。


(ああ、そっか。僕のペアは…)


「おい、「最底辺」。やるぞ。」


 そうルイスに呼ばれて、ついて行く。


 すると、


「お、また最低辺がルイスさんにボコボコにされるぞ。」「次はどんなふうに負けるんだろうな。」「でもルイスさんは優しいな。あの最底辺と組んであげるんだから。」「本当にそうだよな。ちゃんと感謝しろよ最底辺。」


 などの声が聞こえて来た。


(僕だって好きで組んでいるんじゃない!そんなに組みたいなら組めばよかったじゃないか!)


 と叫んでやりたかった。


 そう考えていると。


「ここにするぞ、最底辺。」


 とルイスが模擬戦闘をする場所を決めた。


「ほら、早く構えろよ最底辺。」


 僕は言われた通りに構えた。


「よし。各自場所を決めたな。それでは模擬戦闘初め!」


 と教師の模擬戦闘開始の合図で最底で最悪な戦闘が幕を開けた。


第一話はこれで終わりです。面白いと思ったらいいねや☆☆☆☆☆で応援してくれると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ