傷だらけの帰還(アルキ視点・ざまあ)
アルキは傷だらけでギルドへと帰還した。
受付嬢はアルキの姿を見て絶句する。
なんせ、『いつもの彼ら』ならAランクの依頼なんて余裕だったからだ。
そう。彼らにとって久しい敗走が『Sランク昇格依頼』を引き受ける直前のこと。
「依頼失敗……となりますが、処理をしてしまって問題ありませんか?」
受付嬢がアルキの顔を窺いながら尋ねる。
アルキは何も言わず、こくりと頷いた。
「それでは、1000ゴールドをいただきます」
「は……? 金を取るのか?」
1000ゴールドとなると、一ヶ月遊んで暮らせるレベルの金額だ。
それを依頼が失敗したから持っていかれるだって?
「申し訳ありません。ルールですので」
アルキはそんなの知らないといった顔を見せるが、ビビが首を横に振る。
「うん……昔からあるよ。覚えてない? レインが来る前に一度依頼を失敗してお金を取られたの」
「……ああ確かあった気が。でも、こんなにお金を取られるなんてことはなかったはず……」
「アルキ。前失敗したのはDランクの依頼だからだよ。今回失敗したのはAランク……そりゃ罰則金が大きくなるのは当然だよ……」
どうして、どうしてこんな目に合わなくちゃいけないんだ。
たまたま負けてしまっただけなのに。
「俺は絶対に金は払わない! 俺にもプライドがあるからな!」
アルキは受付嬢に対して叫ぶ。
しかし、受付嬢は淡々としていた。
先程は心配していたが、今は彼女にとってアルキたちは『面倒な客』なのだ。
嘆息して、こんなことを言う。
「となると、ギルドのルールを違反したということで『Sランク昇格依頼』を受注する権利を剥奪しますが、構いませんか?」
「は……?」
アルキの目の前が真っ暗になる。
金を払わないと、Sランクに上がるチャンスがなくなるだって?
それも、一ヶ月遊んで暮らせる大金を払うんだぞ?
嫌だ。絶対にそんなの嫌だ。
「俺は……俺は……!」
アルキはそれでも反抗しようとするが、ビビが肩を叩く。
振り返ると、
「払おう」
そう言った。
アルキはここで払ってしまうと、負けを認めてしまう。
そう思っていた。
しかし、払わないと……。
「分かった……払うよ」
アルキは1000ゴールドを受付嬢に渡す。
別に痛い出費ではない。これまで、山ほど金は稼いできた。
ただ、プライドが酷く傷つけられた。
「確認しました。今後は無茶をしないようにしてくださいね」
アルキは何も言わず、踵を返す。
「ちょ、ちょっと」
「どこに行くんだい?」
二人はアルキの後を追いかける。
「認めない。俺は絶対に認めたわけじゃないからな」
「な、何を?」
「俺は負けてなんかいない。もう一回魔物を倒しに行くぞ」
「待て待て! ギルドの許可なしに緊急時以外は魔物を狩るのは駄目だろ?」
駄目なことは分かっている。
でも、ここで認めたら……!
「いっ――」
アルキは痛む体を抑えて蹲る。
「ひとまず病院ね」
「治療してから、今後のことを考えよう」
「クソ……クソ……!」
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