俺、異世界に行きたいです!
「異世界いきて〜」
俺は持っていた文庫本を閉じながらそんなことを呟いていた。
だってラノベやらを見ていると、なんだかんだ言って美少女とお近づきになるし、そういったエツツな展開がいつかは起きる。俺つええええタイプだって、最弱からの成り上がりタイプだって、そもそもいろんなお話の全てに主人公がいてもちろんヒロインがいる。
だけどそれが現実におきるかといわれれば大抵の人は“いいえ”と答えるだろう。当たり前だあれは作り話の一環なんだ、だけど。
[羨ましすぎるだろ!!!]
俺はこの日常の中何人の女性と話した?朝は母親に叩き起こされ、そのあ後は・・・ん?
待ってくれ、俺ここ最近女性と話した記憶が母親しかないんだが……じゃねぇんだよ! おいおいこれってやばいんじゃないか? もしこのまま女性と話す事なく人生を歩んでいくと、これからの高校生活では、ちょっと女子に話しかけられただけで、もしかして〇〇さんって俺のこと気になってるって変に勘違いして、それとなく聞いてみたらドン引きされたり、大学では一切女性との接点がなくなってますます女性耐性がなくなり、下手すりゃ近所のおばちゃんに、こんにちはと言われただけどドキッとしてしまうわああああああああああああああああああああ考えたくもないはそんなこと。
ていうかそこまで行ったら怖すぎるって、おばちゃんにドキッとするんだぞ、誰かがおばあちゃんを好きになることはいいが、流石に俺のストライクゾーンはとっくに超えてんだよ。
そんな未来を想像してまうとますます異世界に行きたい欲が湧いてきた、まあ俺だって現実はわかってる異世界になんていけないことなんて小4でも知ってる、そんなものファンタジーの世界とかだけだもんな、だけど、いや、だからこそ行ってっみたい、普通ではあり得ないことをしてみたいそんなお年頃なんだよ! べ、別に異世界に行って美少女にちやほやされたり、魔王を倒して英雄になって毎日屋敷の別荘でメイドのスカートを覗きたいわけじゃないんだからね!……
いったい何してんだろう、もう寝よ。
俺は自分を虐めた後のような虚無感に陥り、そして同時に恥ずかしさが込み上げてきたのですぐさま部屋の電気を消し、カメのように布団に潜り込んだ。
するとどこからか。
「異世界行ってみたくないですか?」
そんなような声が聞こえる……わけないか! 俺は疲れたんだろうきっと、今日はぐっすり眠って……
「だ〜か〜ら、異世界行ってみたくないですか?」
っ!やっぱり聞こえ、る?
俺は布団からひょこっと顔を出し、周りを見渡してみたが当然ながら誰もいない。
これってもしかして幽霊ってやつか?……えっ、怖、本当にありそうな怖い話見ててもこんなん怖くないやろって調子乗ってごめんなさい。本当に起きるとこんなに怖いんですね、まじでトイレ行けなくなっちゃうどころか、金縛りにあったかのように体が動かない。
て言うか最近の幽霊って進化してんだな〜直接脳に話しかけてくるんだもん、それなら俺の心の中ぐらい読み取ってくれよ! そして早く帰ってくれよ!
心の中ではなんとでも言っているが、恐怖心から俺は未だ無言のまま固まっている。
「あの〜僕脳に話しかけることはできても、心の中の声は聞こえないから声出して貰わないとわからないんですけど」
そんな俺に幽霊らしき何かが、まるで心でも読んだかのような発言を少し気だるそうに言ってくる。
その声を聞いていると、授業のペア交流で緊張で全く話せなかった俺に対して、隣の席の女子が「あの、早くしてくれない?」と言われた時を思い出して、少し虚しくなってしまう。
「あの、通報しますよ、後怖いんで出て行ってもらえないでしょうか?」
俺の言葉に幽霊は焦った口調で話してきた。
「ちょっと、それだけはやめてください! せめて話でも聞いてくれ……」
「え、嫌です」
俺は幽霊?の言葉を遮りそう言った。だって怖いもん、もし幽霊なんだとしたらどうせ最終的には命に繋がる話に決まってる、そんなの、いくらいいものを出されたって絶対にやりたくない。
「せめて最後まで自分の話を最後まで聞いてください、いいですか、あなた異世界に行きたいって言いましたよね?」
「い、言いましたけど、それが何か?」
「僕があなたを異世界に連れていっ・・」
「嫌です」
「え、」
え、って何言ってんだよこいつ確かに異世界には行ってみたいけど、こいつが言う異世界って死後の世界の比喩じゃないだろうな、流石にこんな意味不明なやつについていくほど俺は幼稚じゃないからな。
大体なんだよこいつ、いきなり異世界とか意味わかんないんだよ、異世界なんてあるわけ……いや、待てよ、もし本当に異世界に行けるんだったらこれってすごいことじゃないのか! 聞いてみるだけ聞いてみるか!
俺は自分が思っている以上に幼稚なのかもしれない。
「なんて冗談ですよ、話を聞かせてくださいお願いします……でも通報だけはしときますね」
「はい! それじゃ話しますよ、って、通報? も、もちろん嘘ですよね、ね! ねえなんか言ってくださいよ……まあそれは置いておいて本題に行きますよ、まあ時間も時間なので端的に話します」
「あなたを異世界につれて……」
「行ってくれるんですよね!流石に俺でも数秒前の言葉は忘れませんよ! でも本当に連れて行ってくれるんですよね? 命も奪はなければ、異世界という名の死後の世界でもなく、本当の異世界ですよね! あ、でも俺できるだけ楽したいんで最強の魔剣とか、有能な仲間とかが欲しいですね、それに何より超絶美少女のヒロインと一緒に旅したいです、そしてその子と恋に落ち、いい感じになる、そんな生活にしてほしいです」
俺は自分でも驚くほどの早口で、後々見返したら恥ずかしくなりそうなセリフを幽霊に言い放った。
「ちょっといったん落ち着いてください! まだ武器や仲間とかだったらいけますけど、超絶ヒロインとあれやこれらとかは、君自身でどうにかしてもらわないと…どうにもできないと思います」
どうにかしてと言われても、無理なものは無理だ、最近女子とまともに話してないからな〜そうゆうのってご都合主義見たいのでどうにかならなってくれないのか。
「ごめんごめん、ちょっと取り乱したよ、で、一体どうしたら異世界に行けるんですか?]
「僕が魔法でちょちょいとで連れて行きます、あ、でもそのままでは連れて行きませんよ!流石にそんなことしたら1時間も生きれませんからね、いったん僕の部屋までつ連れて行きます」
僕の部屋って、この幽霊?のってことだよな、ちょっと怖いなそれは、想像もつかないし、かと言ってやっぱやめます! とは言えないからな……
「あ、最後に聞きたいんだけど異世界で死んだらどうなるんだ?」
「……それじゃあ僕の部屋まで送りますね、じっとしててください」
「お、おい、なんか言ってくれよ、確かにちょっと調子に乗ってたかもしれない、ていうか調子乗ってた、だからそれだけは教えてくれ!」
俺は布団から飛び出し、部屋中を訳もわからず走り回りながらそんなことを言った、
もし死んで生き返れなかったらなんて怖すぎんだよ、ゲームやっててこのゲームにはホラー要素は含まれていませんとか言いながら、がっつりホラーだったときぐらいムカつく。いや、これはなんか違うか。
俺がそんなことを思っていると体が突然光出した。
「ちょっと吾郎何時だと思っているの!」
母親が怒鳴りながら階段を登ってくる音が聞こえる、ヤバイこのままだと親に殺されかけない!
「やっぱり説明はいいから早くしてくれ!」
「異世界の諸々は後で説明しますからね、それじゃあ行きますよ“レッツマイルーム“!」
その声と同時俺の体は一層強く発光しそれと同時に意識も遠のいていく。
……ってこれやばくね、俺もしかして騙された? こいつ本当は死後の世界につれてく死神なんじゃねえか? やっぱり行きたくないそんな、と、こ、
そして俺の体は遥か上空へ飛び立った。
「吾〜郎〜こん時間に何してる,のって、あ、いやごめんね大きな物音がしたから、それじゃお休み〜」