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美しすぎる伯爵令嬢(♂)の華麗なる冒険【なろう版】  作者: 原純
レディ・マルゴーと太陽の果実
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22-19





「──なるほど、つまりこっそりその魔大陸とやらに出かけて行って、実際に何が起きているのか調査をしておこうというわけね」


「いえ、なるほどじゃありませんし、行きませんし、まずなんで貴女がいるんですか」


 父が帰った後。

 商会の幹部に情報を共有しておく必要性を感じた私は、メンバーを集めて今北の山脈の向こうで起こっている事を伝えた。商会の幹部とは言っても集まっているのは元秘密結社の幹部たちばかりである。従業員の採用条件についてはちょっと考える必要があるな、と感じざるをえない。


 それはいいのだが、集めた中に何故かグレーテルもいた。うちに遊びに来ていたらしい。

 父がいたため気を使って出てこなかったということだが、だったらそのまま帰ってくれれば良かったのに。友達の家に遊びに行って、その友達が来客中だったら帰らないかな、普通。そのまま待っていたりはしないだろう。


「だァから言ったじゃん。お姫サマなんてお呼びじゃないってさァ!」


 そしてそんなグレーテルを不必要に煽る『教皇』。

 少し前は我が商会の商品を使って爪の手入れなどをしていただけだったのだが、今はなんか、うっすらと化粧をしているように見える。ナチュラルメイクというやつだ。目立つのは薄い色合いのリップくらいだが、顔全体にメリハリを持たせ、素材の魅力をより引き立てるように施されていた。

 私はそういうのは必要ないので詳しくないのだが、これ冷静に考えたら中々の技術なのでは。いつの間にそんな事に習熟したのだろう。

 髪も短いし服装も男性のそれなのだが、今はもう黙って座っているとボーイッシュな女の子にしか見えないくらいだ。一体どこに向かっているのか。

 攫ってきた当初はこんな風ではなかったはずだ。いつくらいからだろう。ミセリア商会の商品をモニターするよう言いつけてからかな。

 もしかしてウチの商品、というか魔イナスイオ素には、摂取した者に女性的な美しさに対する憧れのようなものを植え付ける効果でもあるのだろうか。


「……」


 まあ、うちの商品の顧客はほとんどが女性だし、別に問題ないか。

 一部男性の利用者も、購入して使用している時点で美しさに対する何らかの願望があるのだろうし、結果に大差はない。


「あら。よくご存知ね。けれど、足りないわ。だから教えてあげる。真に価値ある人間というのはね、呼ばれなければ来ることも出来ないような、受動的な者ではないのよ」


 そしてグレーテルも煽り返す。

 いや、その煽り文句は前世も含めて初めて聞いたな。すごいこと言うな。さすがは王女である。生まれながらに人を呼びつける事に慣れている人間は違う。


 あと、呼んでいないというのなら別に『教皇』も呼んでなかったのだが。

 私の配下みんな集まれーしたら勝手に来ただけだ。いつの間にか私の配下の一員であるという意識が芽生えていたらしい。何も仕事は与えていないのだが、なぜいっちょ前にそんな意識が芽生えているのだろう。

 もしかしてあれかな。新商品のモニターとかさせてたからかな。ならしょうがないか。


 それとこれは後で執事のブルーノから聞いた話なのだが、屋敷の周りに犬や猫や蛇がたくさん集まってきていたらしい。適当に餌を与えてくれていたようなので労っておいた。蛇に餌って何をあげたんだろう。生きたひよことかかな。


「それで、いつ行くの? 私はいつでもいいわよ」


「行きませんし、よろしくありません。というかグレーテル、お仕事はいいのですか? 学園を卒業したのですから、公務があるでしょう」


「……公務、公務ね。まあ、あるのだけれど。正確に言うとあったのだけれど」


 どういう事かと聞いてみると。


 正式なお披露目というわけではないが、そのプレステージとも言うべき、学園の卒業パーティ。

 そこでグレーテルは多くの人々と会い、挨拶を交わした。

 グレーテルに挨拶に来る人間は当然、グレーテルに関する情報に予め目を通している。あるいは、これまでにも会ったことがある者もいただろう。

 しかし、その情報や以前に会った時と現在のグレーテルでは大きく違っている点があった。

 それは銀のメッシュが入った髪色と、溢れ出る存在感だ。


 卒業パーティ後、それらの変化に対する問い合わせが王室に殺到したという。そりゃするだろう。突然自国の王女が髪にメッシュなど入れていたら、何アレどうしたの、って聞きたくもなる。


「だから色々落ち着くまであまり公の場には出ないように、って」


「……それで暇になってしまい、うちに遊びに来たと」


「あっはっは! 何それダッサ! それってつまり、急に白髪が増えたから人前に出せなくなったって事でしょ!」


「私、何だか貴方が可哀相に思えてきたわ。色の区別もつけられないのね。これは白じゃなくて銀色なのよ。ああ、ごめんなさい。もしかしたら銀という金属を見たことが無いのかもしれないわね。知らないものの色はわからないものね」


 別に銀色は銀の専売特許ではないのでそこらにいくらでもあると思います。

 ていうかグレーテルはちょいちょい、女装が似合いそうな男性と口喧嘩するな。そういえばルーサー先生元気かな。





私の妹が、姪に対して「ほら、お茶碗にご飯粒いっぱい残ってるよ。集まれーってやって」と言って、箸で集めさせて食べさせるという教育をしていました。

なんかそんなニュアンスのあれです。

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― 新着の感想 ―
[一言] まずい。これはまずいですよ。 ただでさえ貴重な美少年枠だった〈教皇〉くんがメスガキ男の娘に変貌してしまいそうになっていますよ!
[良い点] 更新ありがとうございます!! グレ様が随分とグイグイ来る様になりましたね、銀メッシュが入って図太く成長したのかな?w 教皇の浸食度(汚染度?)もかなり侵攻してて何よりですね〜w [一言]…
[一言] 魔イナスイオ素にそういう力あってもおかしくないよなあ …お嬢の回りの男、全員女装するようになるのかな
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