呪われた女
2回目の投稿で、前回の続きです。
前回を見ていない方は、見てくださるとうれしいです。
それでは、どうぞ。
「行ってきます……。」
私は、まだ寝ているお父さんを起こさないように、そして、お母さんに気づかれないように家を出た。
鞄の中には、リビングで暴れているお母さんにばれないように取ってきた、財布が入っている。
……よし、お金、入ってる。
入ってなかったら、朝ご飯と夜ご飯が無くなるところだった。
いつも寄っているコンビニにより、オニギリを二つ買い、コンビニの路地裏で、買ったオニギリを一つ食べる。
残りの一つは、夜ご飯用に取っておくんだ。
うちの学校は、基本的に食べ物の持ち込みは禁止になっている。
水筒とかは例外だけどね。
でも、コンビニは夜までやってるから、学校が終わったら買いに行けばいいじゃん、と思うかもしれないけど、この辺住宅街なんだ。
放課後にコンビニによって、買い食いしていると思われたくない。
事実、近所とは言えないけど、そこそこ近くに同じ中学校に通ってる人もいる。
名前は知らないけど、うちの中学の制服着てるし。
オニギリを食べ終わり、路地裏から出る。
人通りが多くなってきたので、人ごみに紛れるように、学校へと向かう。
私は目立つ。
髪の色といい目の色と言い、とにかく目立つんだ。
だから私は普段、コンタクトをしている。
……と、言いたいところなんだけどね。
コンタクト、無くしちゃったんだ。
親が親だから、コンタクトを買ってもらうことも出来ない。
だから、私は人目を引く。
そして、この目のせいで、友達もできない。
まあ、そりゃあ当然こんな気持ち悪い目の人間となんて、誰も友達になりたくないだろう。
仮に私が普通の目だったとして、クラスにオッドアイの子がいたら、私は近づかない。
私はクラスで孤立していて、『呪われた女』と呼ばれている。
見た目もそうだし、実際それは間違っていないんだ。
小学校の頃、仲良くしてくれた女の子がいた。
その子も、見た目にコンプレックスを持っている子で、私の気持ちに共感して、私の、人生で初めてで、最後の友達になった。
なんで最後の友達って言い方をしたかと言うと、その子は、死んじゃったから。
私と一緒に横断歩道を渡ろうとした時に、信号無視のトラックが突っ込んできて、はねられた。
でも、私だけはなぜか無事だったんだ。
擦り傷一つせず、後遺症も残らず。
でもその子は、出血多量で死んでしまった。
その子の前にも、こう言うことがあったんだ。
飼っているわけじゃなかったけど、大事にしていた野良猫がいた。
エサをあげたりはできなかったけど、いつも元気だったから、きっと、どこかでエサを調達してたんだと思う。
その野良猫も、交通事故で死んじゃったんだ。
それも、ちょうど私が近くにいたときに。
私が呪われた女と呼ばれているのには、こういった理由があるんだ。
だから見た目も相まって、誰も私に近寄ろうとしない。
……しょうがないよね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週か来週に、次話を投稿します。
それでは、またお会いしましょう。