第六話 決意
爆発音とともに目を覚ました
外から大きな悲鳴が聞こえた
焦げ臭い
家が燃えている
「れいな、れいな大丈夫か!!?」
「大丈夫、それより早く逃げないと!」
幸い、軽いやけど程度だ
手を引いて走る
走る
走る
響き渡る悲鳴、肌に感じる熱気、戦場を経験したことのない俺にとってはすべてが初めてのものだった
もっと俺に力があれば
ふいに大きな影が横切る
それはー
「「ドラゴン!?」」
まるでゲームににでも出てくるようなー
「そっかここゲームの世界だったか。」
現実と何ら変わらない日常を送っていてそんなことさえも意識しなくなっていた
森へ駆け込んだ
「よかった、生きてる。」
れいなが言った
生きてる
心臓が鳴りやまない
混乱と恐怖の感情が渦巻く中、おれはどこかで興奮していた
あのスリルを楽しんでいた
それから一晩が過ぎた
幸いにも、朝方から雨が降り始め、村は鎮火した
しかし、村はほぼ全焼、村人も半数以上が亡くなられていた
「これは、村としては再起不可能かもね。」
れいなの言う通りだ
これだけ燃えてしまってはこの村では住むところはおろか働き口もない
実質失職したようなものだ
「まあ、大輝は役人だしまだ何とかなるでしょ。」
れいなの言うとおりだ。
しかし、あの騒動が、あの興奮があきらめかけていた夢を思い出させた
そう、ここはゲームの世界なんだ
「あのさ、れいな。」
「ん?」
この世界ならかなえられない夢ではない
決意を決めた
「おれ、冒険者になろうと思うんだ。」