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清蔵

作者: 杉将

へへ、という卑屈な笑いから始めさせていただきましょう。私は愚かで、恥さらしで、まるで社会的な人間とは言い難い男でっさ。そんな私、ああ、私というのもなんだか馬鹿らしいですね。僕、我、わし、それがし、清蔵、よし、清蔵にすることにしよう。清蔵っちゅうんは本名でござい。清蔵、今朝も愚鈍な朝。パンにしようがご飯にしようか、散々悩んで、何も食べない。世間の立派な人っちゅうんは、なんでもいいから口に放り込んでせっせと働いてることでっしゃろうけど、清蔵、何も食べない。ほんでもって、テレビの電源をつける。リモコンを持ち、ポチッとな、と。何がポチッとなじゃ。ふざける清蔵。しかし清蔵、落ち着きがない。立ち上がり、テレビの前から離れると、冷蔵庫に向かい、魚肉ソーセージを食べる。腹が減っていたのだ。ご飯でもなくパンでもなく、魚肉ソーセージを食べるのは、まったく清蔵らしい。清蔵らしさっていうのを、もっともっと出せていけたらと思う。

腹が満たされた清蔵は、もう一度テレビの前に戻るでもなく、ぼんやり窓の前に立つ。いまにも鼻がくっつきそうな距離。そんなところで何をしているのだ清蔵。外を眺めているのだ。空、雲、山、マンション、そして窓に映る清蔵。おや、人だ、と清蔵は思う。嬉しいのだ。人を見るのが、清蔵にとって一番の喜び。清蔵はじっーと見る。じっー、じっー、じっー。清蔵は満足したように窓の前から離れる。清蔵、今度は何をするかと思いきや、玄関に向かい、靴を履き始めた。どうやら外に出たくなったらしい。

清蔵、外を歩く。

何も考えずに書き始めたけど、もう少し清蔵という人を見届けたい気持ち。

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