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こんにちはニートさん

作者: 無から有を生み出すモノ即ち信用創造

必死に勉強してきた...

が、もう限界だ。


5月6月続けざまに受けた公務員試験に一次試験で落ち、民間の就職活動を始めた。6月の末にもなると採用活動を終了している企業も多かったが、就職情報サイト「シュウナビ」には土建、不動産販売、飲食、システムエンジニアといった業種はまだまだ採用活動をしているようだった。


「全くやりたいと思える仕事がねえ」

最近は独り言を呟くことで精神を落ち着かせている。有名大学出身なので書類と筆記は通るものの、薄っぺらい志望動機のために一次面接でロクにしゃべれない。

「貴社に興味なんて一ミリもないんだよ」

まさに泥沼、募集してたから応募してやったんだぞという精神でなければ自分を保てない。醜い人間に落ちぶれていくことを実感しつつも抗うことはできない。


両親共に高卒かつ、父方の会社は倒産という経緯で勝ち組に近づくために地元の有名大学に血眼で進学したものの、就職という段階でこのような事態になるなど想定もしていなかった。


しかし、案外吹っ切れているところもある。ダメだったらダメで仕方がない。生きる意味は他者から規定されるのではなく自ら見つけるべきものなのだから、就職しないという選択肢を自ら選び取れば、それ相応の責任を背負う代わりに自分は自由になれる。人間の本当の自由とは限られたリソースの中での決断のことなのだから。


そういうわけで、僕は就職しないことにした。土地と建物はあるので田舎に帰ろうと思う。


「こんにちはニートさん」完

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