サバイバーズ・ギルト
私という人間は非情だ。
利益のために他者を蹴落とし、昇進のために他者を踏み台にする。
自分のためなら色々な人間を道具に使える最低の人間だ。
私がこの会社にきて一年が経ったが、同期で残っている人間はもう一人もいない。
始めはあんなにうるさくて狭かった会議室も、今はペンの音だけが聞こえてとても広く感じる。
居なくなってしまった人達に未練もあれば後悔もあるが、そうなる原因である私には何もできなかったし、言えなかった。
だから私は歩みを止められない。
これからも人を蹴落として上に登り続ける。
そうすることでしか、踏み台にした人間達への後悔を拭えないから…。
そうして私は、今日も人を蹴落とした。