表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
眠る世界  作者: 846u1
5/11

答え 5/10

火事を知らせる人の声。

遠くからは悲鳴が聞こえる。

慌しい大人たち。


焦げつく臭い。

頭をなでる大きな父の手。

集落の境から中心に向かってなにかを追うように炎は走る。

自分の手を引きそれから逃れる母の背。

焦げた臭いに混ざる、血の臭い。


熱風、呻く人の声。

業火に呑まれる自分の知った人々。


どこをどう進んだのかわからない。

手を引いていた母も、人の声も、いつの間にか消えていた。


少女の目前には、燻るのみで何も残らなかった集落。

聞こえた音は、己の口から洩れる声だけだった。


雨が、降り出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ