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答え 3/10
格子の嵌まった外を見ながら、彼は考える。
岩と足枷とを繋ぐ鎖へと視線を落とし、さらに考える。
ここに入って一体どれくらい経つのだろう。
外が明るくなることを数えることすら、最近はしていない。
ここに最後に来た人が誰だったのか、あまりよく覚えていない。
鎖は形を残してはいるが、錆びた場所は脆く崩れてしまう。
鎖を壊さないようにあまり動かないようにし始めて、どのくらい経ったのか。
この格子の向こうには何があったのだろう。
その向こうから自分は来たはずなのに、なぜここにとどめられているのだろう。
格子の外、光のほうから明るい声が聞こえる。
楽しそうなその声に耳を傾ける。
その声の主とこの場所は遠いのだろう、何を言っているのかはわからない。
何か感じることがあるのに言葉にならない。
しかし、不快ではないその温かさに、彼は目を閉じた。