27話 「き、綺麗な羽ですね」
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タクヤ16歳レベル300
固有魔法:植物
筋力 9600
抗力 9550
体力 9870
瞬発 9640
魔力 13800
スキル:集中Ⅴ・魔力感知・魔力操作・多重魔法・特殊植物化・養分制御・魔力吸収・投擲・早業・高速移動・精密動作・魔力放出・生命感知・鑑定Ⅴ・感知範囲強Ⅶ・イメージ強化Ⅳ・炎耐性・召喚Ⅱ・神の加護Ⅱ・空間指定Ⅰ・座標固定・リミッター解除・威圧
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新しく魔力放出と威圧が増えたな……後はスキルのレベルが上がってるな。
特に鑑定するべきものは増えなかったから鑑定はしない。
ドラゴンを倒して数時間、どれくらい進んだろうか、リンにからかわれてプンスカしてたもんで時間の感覚が曖昧です。
どれくらい歩いたのかを思い出しているとリンが何かを発見したのか指をさし合図をおくった。
「タクヤ、あれ……」
さされた方向に目を向け確認する。
「あ、あれは……なんだ?」
「なんか二足歩行の……魔物? が走って来てるような……」
「しかも速いな……それに何か叫んでるみたいだぞ」
遠い距離で発見したにもかかわらずもうすぐそこまで近寄られていた。
「だ、だすげでぇぇぇ!」
叫びながら走ってくる魔物の後ろには後を追う何かが——ドラゴン! が迫っていた。
追われながらドラゴンの吹く火球を「きぃぃぃ」と奇声を上げながら綺麗にかわすが地面の出っ張りに足をとられて、地面に倒れた。
「あれって魔族じゃね?」
「そ、そうみたいね」
立ち止まりその様子を観察する。
ドラゴンはトカゲみたいな体系だな。
ドラゴンはとうとう魔族に追いつき見下ろす。
「あれってちょっとまずくない?」
「そうね……」
危険を感じた俺は飛び出していた。
それと同時に火球を放つ予備動作を終え、火球を放つ。
俺は倒れた魔族の前に大樹を生やし火球を防ぎ、ドラゴンの無防備な脚に手をあて魔法を放つ。
「不可避の一撃必殺」
『ドレイン』
ドラゴンはみるみるうちに骨になり俺の養分となる、火球から逃れた魔族は爆風で吹き飛ばされていたが起き上がっている時にドラゴンが骨に変わってしまっていることに戸惑っているようだ。
俺はそんな魔族に近づき手をさし伸ばしながら声をかける。
「大丈夫か? ——え?」
魔族だよな? 魔族だから許されるのか?
おろおろとしていた魔族の背中には羽がついていた。
「き、綺麗な羽ですね」
綺麗な羽の女の子の魔族は俺の手をとりゆっくりと起き上がり礼を言った。
「助けてくれてありがとうございますです」
背の低いその子に、いつの間にか傍まで移動していたリンが問いかける。
「あなたは何の種族なの?」
低いトーンで発せられた声には棘があるみたいで、その子は怯えながらも必死に答えた。
「わ、私は精霊種です……」
リンはその言葉を聞いて目を閉じた。
あの羽触りたいな……
俺は初めて見る種族に興味を引かれ触りたい衝動に駆られているが我慢する。
「あ、あの……お、お礼がしたのでもしよければ……村に来てください」
未だに何かを考えているリンに村に行こうと促し移動を開始する。
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移動を始めて三時間ほど経ち村にやってきた。
「本当にこの森に村があるとわな……」
ここに着くまでの時間にリンは精霊種についていろいろと説明してくれた。
「まあ、レアな種族なだけのことはあるな」
精霊種は昔から森にすむ魔族の仲間であるらしいが、その希少さ故にどれくらい存在しているか魔王ですら把握しておらず、もはや迷信程度で語られていたという。
リンは昔からよくこの森に遊びに来ていたようだが、今日初めて精霊種を見たらしい。
精霊種は森の深部にひっそりと存在していて、魔族が迷い込んだ場合は魔法を使い気配を消すか発見された場合は直ちに抹殺して存在を隠しているとかなんとか。
俺達も発見した身であるから抹殺されても仕方なのない状況だが、精霊種の天敵であるドラゴン種を迎撃してくれたことを評価してくれたみたいだ。
それにこの頃ドラゴンがやたらと村に近づくらしく村の皆も困っていたようだ。
ドラゴンに精霊の力は有効ではなく精霊が二十人でも一苦労するらしい、そんな相手を一人で討伐するもんだから、助けて貰ったお礼と同時に村の皆に紹介したいとのこと。
「なんで一人で追いかけられていたんだ?」
俺達はその子の案内のもと村の中を移動する。
村といっても生えた木の高い場所に家をくっつけているかんじで、要するに木の上で生活しているみたいだ。
ただ何となく歩いているだけでは気づきもしないような自然な作りとなっているな。
「前にも話したように、ここ最近ドラゴンがよくこの森に近づきます。だから見回りをしていたのです」
「一人でか?」
「いえ、見回りは基本二人一組で私も最初は二人で行動していましたが、不幸なことにドラゴンに発見されてしまい、私が囮みたいになった感じです……相方は足が速くてですね」
そんな事情を聴いて俺はあきれた。
なんということだ、アホなのかこいつら……
「お前らは飛んで逃げるという手段は思いつかなかったのか? あのドラゴに翼こそあったものの、飛んで追いかけては来てなかったじゃないか……空高くに逃げればいいものを……」
それを聞いた精霊の子は硬直してしまい、目尻に涙を浮かべていて言わなければよかったと後悔してしまう。
「次そうするといいわよ」
フォローをリンが入れ立ち直らせた。
「あ、ここです。この木の上が私の家です」
行きますよとばかりに羽で宙を舞い木の上に到達する精霊。
俺達に翼は無いため取り残されたようになっている、しばらくして上から俺達を見下ろした精霊はその光景を見て「あわあわ」と慌てて降りてくる。
「ん、タクヤお願い」
「任せとけ」
精霊に一人ずつ抱えられて木の上に上げてもらうのはかっこ悪いしな。
俺はリンの腰に手をまわしリンはそれに応えるように俺の肩に両手をかけて準備をする、俺は足の下から大樹を生やしそれに乗って降りてくる精霊の横を通過し家の前に飛び降りた。
当然のように上に上がった俺たちを羽をパタパタとさせながら空中で口を開けて惚ける精霊。すぐに我に戻り上ってくる。
上がってくるなり「さ、さすがです……」とこぼしていたが「植物使いですから」と笑う。
「ここが私の家です。上がってください」
俺とリンは言われるまま家に入ると他の精霊から出迎えられた。
「お帰りなさいルウ、と……お客さん達?」
そこには背の高い女性の精霊と低い女性の精霊が二人いた。
「ルウどうしたの?」
背の低い方から説明を求める声がかかり、ルウと呼ばれた
「えっと、私は見回りしているときにドラゴンに襲われました、それをこちらの魔族の二人に助けてもらいました」
「えっと……それだけ?」
と腑に落ちない様子の二人はさらに説明を求めるがルウはさらに詳しくこれまでの出来事を語った。
「ルウ、わかっているわよね……この村のルール」
「わかってる……」
その言葉を聞いた背の高い精霊は
「ルウを助けてくださってありがとうございます。それに関しては感謝してもし足りないくらいですがこの村にはルールがあります。知らなかったとは言わせません。ですので最大限の感謝の気持ちを込めて一瞬で終わらせて差し上げます」
そう言いながら全身に魔力を集めだした。
「え? 何言ってんの? 精霊だよね? なんでそんなに物騒なんだよ」
「ルールは大事……だからタクヤと私は殺される……」
「な、なんでそんなに冷静なんだよ」
魔力集める精霊は唐突に告げる。
「ルウ……そこのタクヤって方は人間よ」
ルウは俺のことを魔族だと思いこんでいたのか。
ルウの顔が青ざめている。
「残念ですが村のルールです、死んでください」
『精霊の法』
精霊は魔力を解放し俺達に放つが。
「勝手に殺さないで『悪魔の盾』」
リンが瞬時に魔法を使い対応し魔法を相殺した。
至近距離で魔法をぶつけ合ったため爆発はしなかったものの、ちょっとガードするタイミングがずれていたらかなり危険だった。
ルウは「やめてよお姉ちゃん」と言いながらしがみつく。
「ルールはルールよ、離れなさい」
と強く言い放ち、振りほどく姉。
俺は「タクヤ下がって……」と訴えるリンに従い数歩下がり様子を見る。
その時説明を聞いてからずっと黙っていた背の低い精霊が口を開いた。
「クウは落ち着きなさい……その方達はルウを救ってくださったのよ。それにドラゴンを一人で倒すほどの力を持っているは、殺すにしてもクウは力不足よ」
その言葉を聞いたクウと呼ばれた背の高い精霊は黙り込んだ。
それを見て俺は確信した「ここからは俺の出番だ」と。




