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14話 俺達は持っていなかった

「なあ、リンさんよー」

「なによ」


 何気ない返事だが少し疲れているみたいだ。


「この世界には徒歩以外に移動手段は無いのかい?」

「ないわ」


 もう単語でしか返してくれなくなった。

 まあ三日も歩き続けてるんだ疲れるのも仕方ない。


 ん? 何故俺は疲れないのかって?


 答えは簡単、お空にはお天とさんが輝いているからさ。

 サンパワー太陽の光

 植物の疲れを癒す要素が永遠と降り注ぐのさ。


 さてさて俺は三日も歩き続けました。そして気付いた俺の魔法を使えば自分の足で歩かなくてもいいことに。


「リンさんよーもしも自分の足で歩かなくても移動できるんだったらどう思う?」


 リンは呆れ顔でもう何も答えてくれなくなった。


 無視はひどいよ無視は……まあすぐに驚かせてやるよ。


「見せてやるよ……植物……これが世界で一番便利な魔法であることを」


 そう言いながらリンの表情を覗いてみると顔が死んでいる。

 無言なのに頭大丈夫? と言っているのが分かるくらいだ。


 そんなリンはいったん放置し、俺とリンの足元に魔力を集める。

 リンは不思議そうに俺を見つめている。


『大樹』


 魔法を行使すると足元から勢いよく樹が生え俺達を乗せすごいスピードで運んでいく。


「え!? なにこれ、すごい!」


 リンは声を上げて喜んでいる同時に目尻に涙を浮かべた。


「え、ちょ……どうしたの」

「いや……その……どうして思いつかなかったのかしら……」


 悔しかったのね……もう可愛いんだから……


 さてさて、もう今日進む予定の場所を通過してしまいました。なんという速さでしょう。

 俺はリンの涙を拭いてあげた。

 俺に日光が当たっている限り俺の魔力が尽きることはないから晴れた日はかなりのスピードで移動できるようになった。





 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






「見えてきたぞ」


 転移してきた町を出て五日が過ぎた。

 植物魔法を使う移動方法を編み出したおかげもあって予定の半分の日数で移動することができ俺の株が上がったが、これまでの道のりに魔物が一切出てこなくて困ったものだった。


 リンの食料を確保できない。それでリンの不機嫌度がどんどん増していった。

 四日目にリンは餓死寸前まで追い込まれたから、泣きながら抵抗するリンに無理やり俺の腕を食わせたくらいだった。

 もしも俺が魔法で移動する方法を思いつかなかったらと思うとぞっとずる。


「この距離だと後三時間かからないわね」


 植物の上に乗り草原のように見通しのよい道を移動していることもあって早期発見ができた。

 もうすぐ人間共の住む町につくから一応リンに確認しておく


「俺達はなるべく正体を隠し行動をする。その行動の内容は救世主の情報を集めると……いいな?」

「わかってる」


 よし。今度は姿を晒して騒ぎになるのは絶対に避ける、これを一番の目標としよう。





 町との距離も約三キロくらいにまで近づいたのでここからは徒歩で移動する。


変に思われたくないからね。


 そして町に近づいた気付いた


「なあ、あそこに立っているのって見張り的な人だよな」

「そう見たいね」


 どうせ身分証明をさせられるだろう……もう詰んだ……


 どうすっかなー


「仕方ないわねー別の場所から入ることにしましょう」


 リンはそう言うと俺に進行方向を変えさせた。






 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





 いやー乱世乱世。人間は日々無意識的に罪が増えていくのですよ。


 さて時が過ぎて世界は闇に包まれました。私達を照らすお天とさんは西の彼方へ消え失せました。


「リンちゃんよー本当にするのかい?」

「それ以外方法ない……」


 今俺とリンは町と外を分ける仕切りのような柵の前にいる。


 はぁ、気が思いやられる……


 ため息をこぼさずにはいられない。


「じゃあ行きますよ」


 そういいながら魔法を使った。


『大樹』


 足元から生えた気が俺達を乗せて町と外の仕切る柵を超えさせた。


「侵入成功!」


 とっても元気なリンに罪の意識はないらしい。


 これ不法侵入の罪で牢獄行きだよな。

 てか、こんなに簡単に侵入できるとか警備緩すぎだろ。


 そんなことを考えいる俺にリンは言った。


「やることたくさんある……急ごう」

「そうだな」


 気持ちを入れ替えろ俺。まずは寝る場所を用意しないとな


 俺達って宿とれるのか? 正規の方法でこの町にいるわけじゃないんだぞ……

 まぁいい、なんとかなるさ……なんとかなってくれ。


 運任せな思考で乗り越えようと決心していると先に歩いて行こうとしたリンが急に顔を蒼くして振り返り言った。


「タクヤ……私達、お金持ってない……」

「あ……」


 森での生活に慣れきっていた俺は金のことをすっかり忘れていた。


「さ、最悪町の外に生えている背の高い樹の上で寝ればいいし……。とりあえず、町の中を見て回ろうか」

「そ、そうだね」


 というわけで俺とリンは町の中を歩く。

 不法侵入していることもあって今俺達は裏路地にいるから、とりあえず人通りがいい道を目指す。


 侵入する前に町の周りを移動してるときに思ったがこの町は結構大きい。

 外から見た感じだと背の高い建物がたくさんあるように見えていて町の中にはある程度の建物があると予想していたが。


「これは予想以上だな……」


 目の前には予想を上回る量の建物があった。

侵入した時点で分かってはいたが、余りにもの多さに現実逃避してしまい何も見なかったことにしてしまっていた。


 目の前にたくさんの建物がある。

 これは正しいが決して建ち並んでいるわけではない。

 複雑に道を隠すかのように建てられているおかげで、もはや真っ直ぐな道が見当たらない。


「この町は迷路みたいだな……」

「これじゃあお金あっても宿見つけれないから結果オーライ」


 リンは苦笑いで親指を立てた。


「何が問題になるか分からないからとりあえず命の危機にさらされるまでは魔法は使うなよ」

「りょーかい」


 一応、魔法禁止の約束をし俺とリンは一番近くにある暗くて狭い建物と建物の間の道に入った。





「さて、どっちに行こうかな……」

 

 俺達は十字路にいる。

 歩き始めて三十分ほどがたったが一向に人通りの多い道に出ない。

 ちょくちょくある、行き止まりや分かれ道のせいだ。


 大樹を使って上から一気に行く手もあるんだが。


「タクヤ……」

「ああ、分かってる……」


 俺達は何者かに後をつけられてる。

 生命感知を使いつけてくる者の数を数えようとしたがこの建物の中の生命まで感知してしまい正確な人数を数えられない。


 曖昧だが十人くらいはいるな。

 どうしたものかな……


 とりあえず十字路を真っ直ぐに進み考える。何故俺達の後をつけるのかを。


 思い当たる節は不法侵入くらいだが、それを取り締まるのに後をつける必要はないはず……じゃあ何故?


 思考を深めながらどれくらいたっただろうか。俺達は行き止まりのせいで立ち止まった。すると今まで後をつけるだけだった者達が一斉に動き俺達の戻るための唯一の道をふさいだ。


 十五人もいやがったのか。


 いきなり現れた十五人を観察した。

 一般の服を纏い手には光る何か――ナイフを持っている。


 賊かなんかか?


 疑問を抱いたとき話掛けられた。


「痛い目見たくなかったら、身に着けているもの全部を地面に置け」


 彼等は賊でした。

 相手が賊なら容赦しない。賊じゃなくても容赦しないけど


『大樹』


 地面から大樹を生やし賊の後ろの道をふさいだ。


「さて、これで逃げ道は塞ぎました。死にたくなかったら、持っているありとあらゆる情報を吐け」


 相手を見誤ったな賊め。


 俺は地面を踏み根を賊共の足元から生やす。

 賊は悲鳴を上げる時間も与えられないまま口と肢体を拘束された。


 突然の事に賊は自分の身に何が起こったのかを把握していないが、構わない。

 一番先頭にいた一人を根で絞めあげる。そいつは必死に拘束を解こうとするが解けるはずもなくグチャっという音を残し死体となり、それを見た賊共は顔面を蒼白にし震えだした。


「さて、お前達の命は俺の気分次第となった。俺は情報が欲しい……分かるな?」


 そう告げて、口を塞いでいた根の先端部分を口から外し自由に話せるようにし、外した先端部分を口の代わりに眼の数センチ前に持っていった。



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