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13話 これからの方針が決まった

「魔族が人間を殺す理由、それは魔族の平和と魔王様のためだ」


 ダージュはそう答え俺はそれを聞き疑問に思った。


 それが本心ならばあの老人の言っていたことはなんだ?


「戦う理由を詳しく聞きたい。三人だけになれる場所に移動しよう」


 俺はリンとダージュに提案するとダージュは勿論、リンも賛成してくれたのでダージュに案内させ移動する。

 ダージュは町の中心にある町全体を管理する建物の個室に案内してくれた。

 そこにある個室には四角いテーブルと椅子が五脚あるだけの簡単そうな作りになっている。


「簡単に声が外に漏れるんじゃね?」


 そんな俺の心配にはダージュが部屋の仕組みごと教えてくれた。


「この部屋は魔法で作られてるから外に声が漏れることはないから安心してくれ」


 そう言いながらテーブルの向かい側にある椅子に腰をかけたから、俺達も椅子に座り質問を始める。


「本当にお前達は平和を望んでいるのか?」

「勿論だ」


 俺は淡々と質問をしダージュに答えさせる。


「じゃあ何故人を殺す?」

「それは、魔王様が人間を殺すことで平和が訪れるとおっしゃったからだ」

「お前は神族の存在を知っているか?」

「し、神族? なんだ、それは」

「知らないか……」


 初代魔王復活のために人を殺すという真の目的を知っているのは現魔王だけなのか? そう考えるのが一番しっくりくる。平和のためという建前があれば簡単に人を殺せるもんな。


 溜息を吐きながらどうするべきかを考えているとリンが訊いた。


「あなたは戦うことは好き?」


 俺とダージュはその質問の意図が組めなかったがリンの強い視線に怯んだダージュは恐る恐る答える。


「俺はあまり好きじゃないな……」

「ダウトおおおおお! お前俺を殺しに掛かってきたじゃん。なに言ってんだ」


 リンも嘘だと思ったのだろう、さらに質問を重ねる。


「じゃあ何故、あの時タクヤを殺そうとした?」

「それは……魔王様の言うことは絶対なんだ。だから……仕方なく……」


 ダージュはしぶしぶといった感じで語った。


「仕方なくにしては、だいぶあっさりと殺しにかかったよね」

「仲間が誰かを殺す場面を見たくないからだ……」


 すでに冷めた口調で問い詰めるように質問を繰り返すのだったが、とうとうリンは不敵に笑いながら問う。


「あなたは魔王のことどう思ってるの?」


 この問いの返答次第で魔王を敵にまわすことになる。そこを狙ってリンは問うたのだ。そして俺はダージュが迷った表情になると思っていたがダージュは迷うことなく答えた。


「非道な王だと思ている」


 それを訊いたリンは少しほっとしたように見える。


「なるほどね、あなたの気持ちは分かったわ」


 数秒の沈黙の後リンは再び口を開く。


「私たちは殺しの無い平和な世界を目指してるの」


 唐突に自分の事を語りだすリンにダージュは驚くがリンの思い描いた儚い夢程度と受け取ったのだろうダージェは微笑む。


「そりゃあ、素敵なことだな。どうやって実現させるつもりだい?」


 いやらしい質問をするもんだと思うがリンからすればなんとも無いようで変わらない声のトーンで話す。


「タクヤが新しい魔王になる、そして魔族に命令する、そうすれば魔族は人間と戦わなくてすむ。その結果、人間にも魔族にも平和が訪れる」


 なるほど、そんな手があったか……。

 なんだって?

 聞き間違えか?


「リン……もう一回……」

「タクヤが魔王になる」


 聞き間違いではなかったみたいだ。


「俺達……魔王に手も足も出なかったんだぞ。どうやって魔王殺すんだよ」

「そんなの簡単、タクヤが他の救世主達のスキル奪う、強くなる、魔王殺せる」


 なるほどな……それを聞いたらなんだか難しい話には思えなくなったな……

 それにリンと出会ってどーでもよくなってた復讐の件も同時に進行できるんだ悪い話じゃないな。


 そう難しい話に思えなかった俺は答えた。


「それも悪くないな。じゃあ俺は新しい魔王になることにするよ」


 その余りにも軽々しく魔王を殺す宣言にダージュは唖然とているが、リンは目を輝かせる。


「さすがタクヤ。私の魔王様」

「ははは、リンは可愛いなー」

「それじゃあ早速次に何をするか決めましょうか?」

「そうだな」


 俺としてはのんびりと旅をしながらのんびりとスキルを奪いのんびりと魔王を殺すというルートでいきたいと思い提案すると、リンは少し考えた様子だったが賛成してくれたから、これからの方針が決まった。


 リンと二人旅。楽しみだなー

 想像しただけでわくわくしちゃう。まるで遠足を明日にひかえた小学生みたいだな。


「そうと決まったらすぐに出発しましょ!」


 はい、リンも小学生みたいでした。

 そんなことは置いといて。


「出発するにしても、目的地はどうするんだよ」

「目的地は人間の住処、救世主の情報を集めて使えそうなスキルを吸収する」

「わかった、それでいこう」


 行動内容は決まった、後は。


「おいダージュ、何か身を隠せるような着るものあるか?」

「あるにはあるが……何故だ?」


 心底不思議そうだったので教える。


「極力正体は隠した方が面倒に巻き込まれなくてすむからな特にリンは」


 ダージュは納得がいったみたいでそれを聞くとすぐに部屋から出て行った。


「流石タクヤ、今回みたいな騒動を起こさない方法を早速取り入れてきたね」


 まあね。毎回毎回、今回みたいなことが起こるのはごめんだからな。


 それよりも毎回毎回今回ってちょっと言いづらいな、今気付いた。


 ダージェがいなくなったことで俺は前から気になっていたことを話して見た。


「俺達は人間の住処に近い場所に転移したんだよな? ここに魔族が住んでいるということは、やっぱりここは侵略されたのか?」


 リンは仕方ないといった表情で答える。


「まあ、そういうことになるね」


 だよな。人間は弱すぎるからな。


 このままだったら人間が死ぬ方が早いな、別に何人の人間が殺されようと構わんのだが、救世主共が殺されるのは勘弁してほしいな、スキルを奪えなくなる。


 そんなことを考えているとダージュが大きめのローブを持って戻って来た。


「早かったな」

「魔族を平和に導く新しい魔王様の頼みだからな」


 早速俺達はローブを纏い部屋からでたがやはり外の空気はそんなにおいしくない。

 相変わらず昼なのに紅い空を見上げながらダージュに問うた。


「お前たちはどの方角からここに侵攻してきた?」


 またもや俺の質問の意図が組めなかったらしいダージュの表情は面白いことになっている。


「俺たちは西からきたが何故だ?」


 知りたそうだが、ここは無視。


「さて、俺達は東へ向かおう」

「そうね」


 こうして俺とリンは人間の住処を目指し東へ歩き、聞いてみる。


「これから何日くらい歩くことになると思う?」

「この世界は広いからね、10日くらいじゃないの?」


 分かってはいた事だったが、かなりきついな……車欲しい…………



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