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プロローグ
今日も今日とて何時ものように仕事に出掛ける。
部屋の中は最近掃除をしていないことも合ってかかなり荒れていて一言で言うと汚い。
テーブルの上にはビールの缶とそれからワインのボトル、粉々に割れた写真立ての硝子が散らばっている。
特に硝子は床にまで散らばっていて家に帰ってきたら掃除しなきゃな、と何時ものようにドアの前で考える。
そんなことを考えても結局掃除なんてしないのだけれども。
ベットの上もベットの上で脱いだティシャツやパーカーがばかみたいに放置されている。
この部屋に来るたびに親友の卯月リナは顔をしかめる。
「生活感はあるのに、何だか誰も暮らしていないみたいね」
いつもいつもそう言って何だか複雑そうな表情で私を見つめる。
そんな顔で見ないでよ、そう私が言うとまた何時ものようにゴメンね、と謝って下を向く。
だがその直後思い直したかのように笑顔を浮かべるんだ、いつもいつも。
「今日は外に行きましょう?私の奢りでフランス料理でも食べましょうよ。」