プロローグ~私、転生します~
目立たない人間の末路は、目立たないものである。
そのことを、私、五十嵐明日香が身を持って実証した。
私は女である以前に、ハードなゲーマーだった。やったゲームはプレイ時間がカンストするまでやった後、売却するのが私の流儀だった。
そのせいか彼氏の一人も出来たことはない。
今日も、それを守ってやりこんだRPGゲーム『ブレイブラッド』を売る
「わっ!?」
ー筈だった。
川の近くを自転車で通っていたら大きな石に乗り上げ、バランスを崩し川へ転落。そのまま流されて溺れたのを覚えている……
「ねぇ、聞いてた?」
「いいえ、全く」
「即答しないでよ……」
ー確かに自分が溺れたのは覚えている。しかし、次に目が覚めたらここに居て、神と名乗る自分より背の低い幼女が立っていた……。
「幼女言うな!これでも億単位で生きてるよ!?」
「……早くしてください」
「あんたのせいだろうが!?」
ロリ神様が中々話をしてくれないが、怒った顔が可愛いので許そう。うん。可愛いは正義。
「ロリ神様ちゃうわ!……まあいいよ、あんたは転生してもらうから」
「却下」
「出来ないからね!?あんたはもう輪廻転生に組み込まれてるからね!?」
むぅ……可愛い天使達と遊べると思ったのに……
「もういいよ……適当な世界の適当な人間にしといたから、さっさと行きなさい」
「……特典は?」
「今の知識と技術を持ってける」
「……それだけ?」
もっとあるじゃん。可愛くなるとか可愛い娘に会えるとか可愛い娘作れるとか。
「あんたの頭には可愛いことしかないんかい!?」
「YES」
「くっ……さっさと行け!ってか行かせる!」
え、ちょ、特典はー!?
という私の叫びを遮るように、強烈な光が私を襲った……