僕の綴った物語
惰性にキーボードを連打する。
もはやそれが最近の癖だった。とにかく指を動かし続けることに意味があるのだと、自分でもよく分からない信念を持って、幾度と繰り返してきたその動作は、たしかに達人の域に到達していたのかもしれない。
だが、延々と入力され続ける文字の羅列は、まったくといって意味を成していなかった。だからディスプレイを黒々と埋め尽くしているこの文章には意味がなく、意義もなく、そして何より面白味がないのだろう。
「あー、くそぉ」
嫌気が指して、ようやく手を止める。
今日は駄目な日だ。だからもう止めてしまおう。
自分にとって都合の良い言い訳をして、躊躇うことなくブラウザバックのボタンをクリックした。それに伴って執筆モードが解除され、サイトのホームページにまで戻ってくる。
「小説家になろう」
それがこのサイトの名前だ。
およそ三十万ものユーザーが登録している、日本最大級の小説投稿サイトである。
僕が初めてその存在を知ったのは、今から三年前のことだった。
はたしてきっかけは何だったか。検索したワードに該当したものの中に、偶然なろうに投稿された小説があって、興味本意でそれを覗いたことだったような気がするが、はたしてそれがどんな作品だったか、今一覚えていない。
ともかく僕はその時、衝撃を受けたのだった。
当時から小説、ひいては本を読むことが好きだった僕は、兼ねてより文章を書くことに対しての欲求があった。それはほんの些末なもので、ちょっとした感想文やら批評文を書いただけで充足してしまうくらいだったが、いつか自分でも小説を書いてみたいーーなどと冗談混じりに考えていたのを、昨日のことのように覚えている。
と言うのも、当時の僕にとって小説とは、とても素人が手を出して良い領域ではなかったのだ。書くならば生活を、己の人生を懸けるくらいの気構えで挑まないと駄目なのだとばかり誤解していた。
それはかの芥川龍之介や、夏目漱石。在りし日の森鴎外や志賀直哉のような著名作家たちの、苦悩と挫折に満ちた人生の軌跡を、浅はかながら知っていたせいかもしれない。
結局、それは単なる僕の誤解だったわけだが。
時代は時の流れと共に移ろうものである。人類の目まぐるしい進歩によって何もかもが利便化された現代では、携帯端末一つで大多数の人間に、自分で書いた小説を発信することさえもが可能になった。
出版することなく。
そこに金銭が発生することもなく。
自分が何に縛られることもなく書いた作品を、小説に興味を持つ多様な人々に閲覧してもらい、評価や感想を貰えるという画期的なシステム。
かつての作家と読者よりも圧倒的に近い距離感で、読者の声が聞けるというのは、はたしてどれだけの利点に成り得るだろう。
僕は幸運だ。この時代に生まれて来れて良かった。心の底からそう思った。
誰に促されることもなく、僕は書いた。
稚拙で、とても人の目には晒せないような処女作だったが、それは紛れもなく、僕が人生で初めて書いた小説だった。
「これで、いいんだよな?」
何度も読み返したガイドラインに従って小説を投稿する。
手順を踏み、遂にボタン一つ押せばそれが公然に晒されるという段階まで来たとき、僕はとてつもない緊張に震えていた。
感想は貰えるだろうか。
評価は貰えるだろうか。
それ以前に、誰かに読んでもらえるのだろうか。
変なことを書いてはしないか。読者を不快な気分にさせたりしないか。
不安が不安を呼ぶ。
際限のない負の連鎖に押し潰されそうになる。
ええい、ままよ。
勢いで押した投稿ボタン。
それは僕にとって、核ミサイルの発射ボタンを押してしまうくらいの緊張と切迫をもたらすものだった。
投稿後の数分間は、なかなかに苦しいものがあった。
そんなに早く反応があるはずはない。と、そう分かってはいるのにどうしても気になってしまい、投稿済み小説を何度も何度も読み返す。
評価は皆無。
感想も皆無。
アクセス数もまだ出ていない。
そうして数十分が経った頃、とうとう僕は後悔していた。
やはり投稿などしなければ良かったのだ。誰にも見て貰えないなら、書く意味もないではないか。
注意書きには小説は削除しないでください、とあったが、無性に自分の作品を抹消したくなった。それが生き恥に思えてならなかった。
そんな時だった。
ユーザーページを開くと、よく目立つ赤い文字で、こう書かれていた。
「感想が書かれました!」
それを目にした時の感動は、今でも忘れられない。
例えるなら、ふと購入した宝くじで思わぬ高額当選をしてしまったような。少し大袈裟かもしれないが、しかしそれが誇大ではないと思えてしまうほどに、僕は多大な感動を覚えていた。
「よし、よっしゃあ!」
喜びが身を震わせる。
この時に限れば、僕は世界で一番幸せだったと言っても過言ではないだろう。
感想の返信には時間がかかった。
本当ならばすぐに返したかったのだが、相応しい文面がまったくと言って思いつかなかったのだ。喜びに興奮していたせいもあるだろう。少なくともその時、僕は正気ではなかった。
たっぷりと時間をかけて、結局は当たり障りのない事を書いてしまった。だが、それで良いのだ。自分の感じた喜びを、感謝の意を伝えるには、ただ素直な言葉を綴れば良い。
結果として、僕の処女作には、二人からの評価と一人からの感想がついた。
それは少ない部類なのかもしれない。ランキングに乗るような小説には、何千もの評価や感想がつく。けれど、僕にとってはこれで十分な成果であり、何より小説を書いたことが報われた気がして、それを恥だと感じていたことが馬鹿らしくなってしまった。
ああ、そうか。
これでいいんだ、自分は間違っていなかった。
何かに認められた気がして、自分に自信を持つことができた。
それから僕は、小説を書くことに夢中になった。
アイデアが次から次へと浮上して、執筆意欲の向上を促していた。とにかく書かねばならない。そう僕の中の何かが叫んでいた。それこそ寸暇も惜しんで勉学に励む受験生のように、僕は幾つもの小説を生み出し続けた。
評価は然程、代わり映えしなかった。
だが、それでも一向に構わなかった。日増しに向上していく文章力を、自分で自覚できたからだ。この調子で書き続ければいつかきっとーーそう思っていた。
それから一ヶ月後。
僕はスランプに陥っていた。
何も書けなくなってしまったのだ。それまで湯水のように湧いて出てきたアイデアの奔流は、パッタリと勢いをなくしてしまったかのようだった。
原因は分かっている。
要は、見る目が肥えてしまったのだろう。
僕はもはや、自分が描く作品に納得できなくなってしまっていた。稚拙な文体、ありきたりなストーリー。設定がハチャメチャで、話に脈絡がなく、キャラクターも迷走している。
「くそっ、違う!」
そうではないのだ。本当に自分が書きたいものは、もっと魅力的で、万人を虜にして止まないものなのだ。だが、ほんの数ヶ月小説を書いたくらいで、その出来が飛躍的に向上するほど甘い話もない。現に、僕の成長は比較的緩やかなものだった。
たしかに当初に比べれば作品はマシなものになっていただろう。しかし自分の求めるレベルには、これっぽっちも達していないのもまた、認めざるを得ない事実である。
それが僕には、どうしても我慢ならなかった。
それまでの勢いが嘘のように、僕の執筆活動は停滞した。
その間、暗雲垂れ込めるような面持ちで過ごしていたせいか、日に日に元気を失っていく僕の姿に、家族はただならぬものを感じたらしい。
これは後で聞いた話だが、その頃の僕はまるで、締め切りに追われる作家のように余裕がなくて、ふとした弾みに首を吊りそうなほど思い詰めた顔をしていたらしい。そんな馬鹿な、と思うが、確かにこの頃自分が何を考え、どうやって過ごしていたのかがあまり記憶に残っていない。
日々は色彩を欠いて、どこか淡白になった。
やる気に満ちていた頃が嘘のように無気力になり、何をする気も起きなかった。
「はぁー、ここまでかぁ」
停滞はすなわち、絶滅を意味する。
どこかの誰かが言った言葉。絶えず進歩し続けなければ生存は勝ち得ない。厳しい話だが、確かにその通りだ。僕は停滞している。故に絶滅するのだ。
僕は段々、小説を書かなくなっていった。
時折作品の設定などを考えたりするが、それだけだ。僕の指先が物語を綴ることは稀になり、それに伴って執筆時間は確実に減少していった。
それでも、小説を読むことまで止めたわけではない。むしろ、執筆活動に取られていた時間を読書に回したことによって、より多くの小説に目を通すようになった。
誰かの小説を読む度に思う。
僕も、こんな素晴らしい物語を綴りたい、と。
しかし出来ない。僕には出来ない。僕には好奇心を刺激する設定を作ることも、人を魅了する文章を書くことも出来ない。
唯一出来るのは、これらに比べれば塵屑のような駄作を書くことだけだ。今や、それも出来ていない。改めて自覚すると、惨めだった。たまらなく惨めで、情けなく、歯痒かった。
駄目だ。このままではいけない。
何か、変革が必要だと思った。だから僕は行動を起こした。
そいつは、僕の小学時代からの友人だった。
頭がよい以外は特筆すべき点もないが、しいて言うならば不思議と気が合った。だからこそ僕は、そいつを選んだのだ。
好敵手に。
競争相手、と言っても良い。
停滞した現状を打開するには、新たな風が必要だ。では、風とは何か。考えた僕は、お互いを刺激し合う同業者こそが相応しいと思い至った。
当然、迷いはあった。
そもそも相手が承諾してくれるか分からない。
だが、結果は行動なしでは生まれない。僕は行動することにした。結果としては、成功だった。
「小説か、書いて見たかったんだよな」
「だろ? 小説家になろうってサイトがあるんだ。お前も書いてみないか?」
「おう、面白そうだし、やってみるか」
友人は快く了解してくれた。
元々本をよく読む奴で、作文やらを読んだ限りでは、他の同級生よりも幾分か文章力が高い。期待はしていたが、こんなにも簡単にいくとは思っていなかった。
友人は小説を書き始めた。
進捗は緩慢としたものだったが、しかし僕とは違って確実に書き進めていたようで、彼は数週間後に書き上げた小説を投稿した。
やはり初めて書いた小説だからか改善点は幾らか見受けられたが、それでも僕の処女作よりは余程クオリティが高かった。それを認める際、悔しいと思った。今の僕ならもっと良いものが書けるのに、と。
「いや、小説書くのって難しいな」
「ああ、お前のお陰で僕も書けそうだよ。ありがとう!」
「あ、おい」
友人の制止も振り切って、僕は自室へ駆け込んだ。
今なら書ける。そう確信していた。はたして、僕の指は自然と物語を書き進めていく。自分でも驚くくらいのスピードで、心地よい高揚感に包まれながら、僕はディスプレイに向かいキーボードを連打した。
翌日、モチベーションは依然として持続していた。
いや、むしろ執筆意欲が高まっている気さえする。その日が休日だったということもあり、僕は朝から夜まで執筆に心血を注いだ。
そしてーー遂に。
「やった、出来た......」
文字数、実に二万文字。
小説を書いたことがある人なら、それだけの分量を書くのがどれくらい大変か分かるだろう。なかなか出来ることではない。だが僕はやりきった。遂にスランプを脱したのだ。疲労に苛まれながらも、手慣れた投稿作業を行った。
初めての時のような緊張はなかった。
ただ達成感の余韻に浸りながら、投稿した小説の行く末を見守る。
今度は一々確認したりしない。どこか別のサイトで時間を潰しながら、時折ユーザーページを確認する。数十分経てば、反応があった。感想が書かれていたのだ。
「突拍子のない設定だけど、文章が活き活きとしていて飽きさせなかった」
そんなことが書かれていた。
感想を書いたのは他でもない友人だった。
失礼な話、見知った人間からの贔屓な評価に喜びが半減したが、彼も紛うことなき読者の一人である。それに友人のお陰で、自分はこれを書くことが出来たのだ。感謝を胸に、丁寧に返信した。
評価は相変わらず、めぼしいものにはならなかった。
だが確実に自分の中で何かが変わった気がする。停滞は打ち破られ、確かに進歩の道を開拓したのだ。その実感が遅れてやって来る。やはり、小説を書くのは楽しい。僕は気づかぬ内に笑みを浮かべていた。
「ああ、懐かしいな」
背もたれから身を起こして、呟く。
振り返った過去は、なかなか充実したものだった。
友人のお陰で、僕はスランプを脱した。だから何だ。今の自分は何でも卑屈に捉えてしまう。
結果として、僕は二度目のスランプに陥った。今度は長く苦しい停滞である。あれからもう二年が経ったが、その間、何も投稿出来ていない。
原因は分からないが、やはり一度目と同じ理由だろうか。見る目が肥える。自分の見る目が一段階上方に向かう。それ自体は、悪いことではないと思う。自分の知らなかった世界と言うのは、なかなかに興味深いのだ。
しかしその次元まで自分の能力を持ち上げるのは、困難と言わざるを得なかった。書けども書けども、到達しない。その内書くのも嫌になって、物事の上達が滞る。
努力し続けることこそが才能。誰かがそう言った。当初は否定的だったが、あるいはその通りなのかもしれないと、最近になってよく考える。継続は力なり。それこそが自分に足りない信念なのだろう。
「今日こそは、書くぞ」
誰に言うでもなく宣言する。
それが無駄であると分かっていた。口ではこう言っておきながら、その実小説を投稿するつもりなどないのだ。自分の納得するものが書けるまで、僕は投稿ボタンを押さない。そう確信を持って言える。
「あー、くそぉ」
はたして、手は止まった。
ディスプレイには毛ほどの価値もない駄文が連なっている。やはりこうなったか。自分の意思の弱さに嘆息する。これだから駄目なんだ。分かっている。だからと言ってどうにか出来ることでもない。
プライドというのは、実に厄介だ。
分かっていても簡単には捨てられない。
「流行に手を出してみるのも良いんだけどなぁ」
流行とはつまり、小説家になろうにて確固たる地位を確立しているジャンルーーすなわち異世界ものである。平凡な主人公がある日、何かしらのアクシデントによって異世界へと渡ると言う、多分な幻想を含んだ夢物語だが、実のところ僕もそういった話は好きだ。
何せ現実には救いがない。
何事も上手くいかないことの方が多い。
苦しいことや辛いことがあって、それを乗り越えることを課題とされる。幸よりも不幸の方に比重が傾いている気さえする。人生、いつだってそうなのである。
反して、異世界ものの小説には夢が溢れている。
可愛い女の子に言い寄られて、莫大な力を手に入れて、それを用いて他方から一目置かれる存在になる。元々が僕と遜色ないただの一般人だと言うのも、感情移入に一役買っているのだろう。
中にはそういった流行に乗る作品に批判的な読者もいるようだが、やはり、そういったことに憧れる心が僕にはあった。現実では到底あり得ないようなことが、しかし小説の中では実現する。そこに夢を見たいと思うのは、悪いことではないはずだ。
そして、そういった小説には評価が付きやすい。
これはランキングが物語っている。サイト内に投稿された小説を、会得ポイント順に並べたランキングにおいて、異世界ものは多数を占めている。ページをスクロールすれば、ジャンルがファンタジーのものが腐るほどある。
僕は今まで、そういったジャンルに手を出してこなかった。
プライドが邪魔していたのだ。何となく他の人と違ったことをやりたくなる。思春期にありがちな反抗期というやつだろうか。ともかく、何となく流行に乗るのが嫌だったのだ。
しかし、そんな感情はもう捨てよう。
やはり評価が欲しい。適当に異世界ものの小説を書いて評価を貰えば、自ずとモチベーションも湧くだろう。そうだ、そうに違いない。
そう思い立ち、再び新規小説作成のページを開く。
そして何か文字を打とうとして、ピタリと動きを止める。
待て、待てよ。
自問する。よく考えろ。
そもそも僕が小説を書く目的は何だ。
評価が欲しいからか?
違う。
確かに評価は欲しい。
喉から手が出るほどに欲しい。
だが、それが本来の目的ではーーない。断言できる。
ならば、何が目的だ?
目的。
それは何だ。
それは単に、小説を書きたいという意思から来るものだ。
そうだ、そうだった。
いつの間にか僕は、目的を履き違えていた。
誰かからの評価に固執して、本来の目的である「小説を書くという欲求」から目を背けていた。
「そうだよな。僕はただ、書きたかったんだ」
迷った時は初心に帰る。
自分の進むべき指針は、かつての自分が持っている。
束縛からの解放という、今だかつてない爽快感が胸中に去来する。楔が取れた気がした。難問を解いた後のような、スッキリとした感覚は、次第に僕へと溶け込んでいくようである。
「書こう、綴ろう。僕の、僕だけの物語をーー」
キーボードの上で指が踊る。
嬉しそうに文字を打ち出す姿はまるで、地中で育った蝉が七日間という短い生命を過ごすために、地上へ高々と飛び出したかのようだった。
書く、書く、書くーー。
次々に生み出される文字が、言葉を作り、文章を作り、物語を造形していく。一瞬一瞬が繋がることによって、そこに時間的、空間的な一つの世界が創造されていく。
それから幾ら時間が経っただろうか。
窓の外が暗くなり、そして朝を迎えた頃に、ようやく僕は動きを止めた。小説が出来上がった。それまで絶えず動かし続けた指は疲労によって痺れ、無事に書き終えた安心からか酷い眠気に襲われる。気を抜けば、今すぐにでも眠ってしまいそうだったが、何とか文章の推敲をするために目を走らせる。
「これでいい、これで」
満足気に頷く。
作品の出来に納得した。
ずっと押せなかった投稿ボタンをクリックする。投稿への手順を踏み、その間にも眠りの世界へと落ちそうになる意識を歯を食い縛ることによって何とか保ちながら、遂に全行程が終了する。
そうだ、まだタイトルを付けていなかったな。
僕は物語に名前を与えた。
それは酷く安直で、良くも悪くもそのままである。
でも、それがまた僕らしくもあって、何故か笑えた。
「よし、投稿っと」
投稿完了のボタンを押すと共に、意識が暗転する。
安心から来る睡眠の心地好さに微睡みながら、僕は薄目を開けてディスプレイを見た。
「僕の綴った物語」
捻りのないネーミングに自嘲気味な笑みを浮かべながら、僕は今度こそ、眠りの世界へと落ちていった。
まず始めに、お読み下さったことに感謝します。
この物語の主人公は、このサイトに登録している方々の数多くが行っているであろう「小説を書く」という行為に、苦悩していました。
その中には、これを読まれた皆さんが活動を通して、実際に体験されたことが含まれていたかもしれません。そうだとしたら、少し嬉しく思います。
尚、物語の中で主人公が流行である異世界ファンタジー系の小説に対して、私的な意見を述べていますが、それはあまり気にしないで下さい。作者自身、そういったジャンルは好物ですので。
最後に。
この小説が、少しでも悩める誰かの助力になれれば良いな、と願っています。