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帰郷

アオとミリは雨の都市に戻った

次の都市に行く通り道だ


あいかわらず

雨が降り続け、道は泥だらけで歩きにくい

他を知らなければ、歩きにくいとさえ思わなかったのに


都市の門にそっと触る

『――成し遂げて帰って来る――』の文字

「半分成功かな」


自分達の村まで来るとアオはふと立ち止まる

「変わらないな」

「うん でも少しだけ雨が優しく感じる」

村人たちはアオとミリの帰還を歓迎した

だが、どうも期待しているものと違うようだ

「おかえり 全て集めてきたのか?」

「晴れと風の章はどうした?」

アオは気まずそうに目を伏せる

「……まだ、途中だ」


村人たちはがっかりした表情を浮かべた

帰還した者が、必ずしも【終わり】では無い事を初めて知る

だが、長老だけは違った

「2つも集めてきたとは、よくやった お前たちは立派だ」

その言葉にアオとミリは抱きついた

村で育った者にとっては、おじいちゃんのような存在だ


――


家族のところへ向かう

母が涙をこぼしながら抱きしめてくれた

「あなたたちが無事で本当に嬉しい」

父も微笑みながら、頷いた

「お前たちは凄い 次も、きっと行ける」


ミリに家族は居ない

アオの家が家族代わりだ

家族の温かさにアオとミリは安心した


だが、彼らの旅は終わっていない

まだ進まなければならない

「……でも、すぐにまた行くんだ」

アオが言うとミリも頷いた

「うん 風と晴れを絶対に集める」


また村人たちに変な期待をされるのも嫌だ

夜が明ける前に静かに街を出た


――


アオとミリは風の道を進んでいた

空気が違うことで近づいているのが分かる

ただの風では無い


「都市そのものを支えているような感じがする」

遠くに、かすかに見える都市の影

風の都市サート

空中に浮かんでいるのが見える

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