バンズくん
バンズくんと呼ばれるパンが悲しそうに言いました。
「ぼくは、サンドイッチになれないんだよな〜」
まるいパンだから、三角の形になれないのです。
「ぼくも、みんなにおいしいっていわれたいなぁ」
とぼとぼと町を歩いていたとき、
「きみ、ぼくのお店に来てくれよ」
ハンバーガー屋のおじさんに声をかけられました。
「えっ、ぼく?」
「そうそう、今ハンバーガーが大人気でパンがないんだよ。ちょうどきみが通りかかったからさ、手伝ってくれよ」
「ハンバーガー?」
バンズくんは、よくわからないけど言いました。
「ぼくでお役に立てるならいいですよ」
ハンバーガー屋のおじさんは大喜び。
バンズくんに、ジューシーなハンバーグをくわえさせ、レタスとトマト、チーズもはさみました。
「ぼく、おしゃれなハンバーガーになれた!」
バンズくんは、うきうき にこにこ。
ハンバーガー屋さんのお店でお客さんを待っています。