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北方海の守護天使  作者: h.hiro
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幕間「合法ロリ艦長セレス出撃す!」

「セレスちゃん今日も可愛いです。」

「ああ何と可憐な娘なんでしょうか。」

「う~んお持ち帰りしたいです。」

「こらぁぁ!いい加減にしなさい!」

駆逐艦シルフィードの艦長であるセレス・リンドバーク。

彼女を一言で表現するならこれで十分だろう・・・合法ロリ艦長であると。

兎に角その容姿はどう見ても幼い少女なのだ、だが彼女はこれでも成人した女性なのだ。

お陰で艦長のセレスに対する扱いは上記なものになったのは当然と言えるだろう、本人にとっては非常に不本意な事だが。

そして今日もまた乗員達の玩具にされるリンドバーク艦長。

「ああもう!私が北方海の守護天使みたいに大人の女性だったらこうならなかったのに・・・」

セレスは守護天使と呼ばれる恵理香が、天使と呼ばれる位に大人の清楚な美人なのがとても羨ましかった。

シルフィードはイアス島にある三雲商会に所属するスプルーアンス型駆逐艦であり主に島近海の防衛と救難を担っている。

その関係で島の住民だけでなく所属する漁船の漁師や貨客船の船員達の間では有名人だった・・・その容姿でだが。

「セレスたんは尊いロリ。」

「可愛い・・・可愛い・・・」

体格が良い強面の漁師連中でさえこんな感じなのだからある意味セレスも大変だった。

「左舷3千シーサーペント接近して来ます。」

シルフィードは現在イアス島近辺に出現したシーサーペントと戦闘中だった。

「全艦載砲及びランチャーを左舷へ、攻撃用意!」

艦長席に座ったセレスが指示を出す、まあ言葉だけ聞いていれば立派な艦長なのだが、姿はどう見ても幼女が大人ぶっている様にしか見えない。

ちなみに艦長席はセレスに合わせた幼児用(チャイルドシート?)で本人以外座れない・・・なお指摘すると必ず怒られる。

艦首及び艦尾の艦載砲とランチャーが旋回し仰角を取る。

「目標データの入力良し。」

「艦首ランチャー発射。」

シルフィードの発射したロケット弾がシーサーペントに命中し海面上をのたうち回る。

「続いて艦尾ランチャー発射。」

「艦尾ランチャー発射!」

艦首のランチャーからのロケット弾に続いて艦尾から発射されたロケット弾がシーサーペントに向かって撃ち込まれる。

計16発のロケット弾が命中し、シーサーペントはその身体をバラバラにされ海中に沈んでいった。

「レーダー状況を報告して。」

シーサーペントの撃破後セレスはセンサー担当に確認する。

「シーサーペントの反応消滅、撃破を確認・・・流石はセレスちゃんですね。」

戦闘が終わった途端今まで真面目だった乗員の口調が砕けたものになる。

「セレスちゃん流石です。」

その乗員達にジト目になるセレス。

「皆さんまだ終わって・・・」

最後まで真面目にやって欲しいとセレスは思うのだが、残念ながら周りの乗員達はそんな彼女の気持ちなどどこ吹く風だった。

「さあセレスちゃん、休憩しましょう。」

「ドーナッツとホットミルク用意しますから。」

瞬く間に艦長席から抱き上げられて連れて行かれるセレス。

「ちょって止めなさい、人を子供扱いするのは・・・だから聞いてよ!」

残念ながら聞いてくれる者はその場には一人も居なかったのだった。

この後休憩中の乗員達に囲まれドーナッツとホットミルクを食べさせられ、その光景を鑑賞されるセレスの姿があった。

依頼を終えシルフィードがイアス島の港に戻って来ると専用の桟橋に接岸しタラップが掛けられる。

「酷い・・・目に・・・会いました・・・」

疲れ切った表情で降りて来るセレス、港に到着するまで乗員の皆に玩具にされた結果だ。

でもこれで解放されるとセレスは最後の気力を振り絞って艦を降りるのだが、彼女の不幸は終わっていなかった。

「お帰りセレスちゃん!」

「今日も頑張ったわね後でケーキ持って行くわね。」

「おお今日もその姿は尊い、皆崇めるのだ!」

港に集まっていた老若男女の住民達による盛大なお迎えが待っていたのだから。

「な、何なんですかこれ・・・」

艦を降りた瞬間皆にもみくちゃにされたのは言うまでも無い。

「せーったい天使の様な大人の女性になってやるんだから!」

セレスの絶叫が桟橋に虚しく響くのだった。


そんなセレスが後日守護天使である恵理香と共に戦う事になるのだが・・・その時の彼女は思っていなかった。


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