表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北方海の守護天使  作者: h.hiro
22/35

第18話「異世界の守護天使」

『海の果てから来たる鋼鉄の船、守護天使と共に王国の危機を救う。』

・・・ラバニラ王国に伝わる伝承より。

絶叫を上げて船団に迫ってくる巨大な海獣。

「皆さん怯まないで下さい、弓隊は攻撃の用意を。」

鎧を見付けた一人の女性が船の上で叫ぶ。

船に乗って居る兵士達が弓を一斉に構える。

海獣は更に迫り先程の女性を含め皆緊張に震えている。

「今です、撃て!」

女性が命じると兵士達が一斉に弓から矢を放つ。

「「「「ああ!?」」」」

だが放たれた矢を浴びても海獣は進撃を止める事も無く船団に迫ってくる。

「駄目です王女様、早くお下がりを!」

傍らにいた兵士が女性いや王女に進言するのだが。

「下がる・・・何処にですか?私達の後には自らを守る術の無い民達がいます、我々に下がる場所などありません。」

悲壮な決意を浮かべ王女様は迫って来る海獣を見る。

「何としても退ける・・・我々にはそれしか無いのです。」

意識の戻った恵理香は何処かに打ち付けた頭をさすりながら艦橋内を見渡し乗員達に尋ねる。

「皆さん大丈夫ですか?」

「・・・何とかね、一体何が?」

「私も何とか・・・」

「だ、大丈夫です艦長。」

「痛たた・・・えっと大丈夫です。」

「頭をぶつけましたが大丈夫です艦長。」

恵理香の問い掛けに優香とロベリヤに他の乗員達が答えて来る。

「まほろばのダメージの確認を急いで下さい。」

「各部のダメージの確認を急げ。」

指示を受け副長が機関管制室のダメコン担当にと連絡を取ってダメージの確認を求める。

「艦長、まほろば各部に問題無し、乗員にも大きな怪我人は居ません。」

5分後確認を終えたダメコン担当からの報告が副長を通してが恵理香に来る。

「了解です、レーダーに何か反応ありますか?」

「暫くお待ちください。」

センサー担当は恵理香の指示を受け複合ディスプレイを確認している。

「それにしても一体何が起こったのかな?」

艦長席の隣にやって来たロベリヤが問い掛けてくる。

「私にもはっきりとは分かりませんが・・・」

まほろばは海面の異常な変色を調査する様にギルド本部からの要請を受け問題の海域へ来たのだったが。

その変色海域に近づいた時まほろばは突然激しい振動と光に襲われ、恵理香達は意識を失ってしまったのだ。

「艦長!レーダーに反応があります、距離3千・・・複数の船舶とシーサーペントらしきものが。」

センサー担当からの報告で艦橋内に緊張が走る。

「正確な位置をお願いします、それからドローンの発進準備を。」

飛行甲板にドローンが引き出され発進準備が進められる。

「艦長目標群の方位040です。」

「方位040に進路変更、全速前進、ドローンを発進させ目標海域へ先行させて下さい。」

ドローンが飛行甲板から発進し目標海域へ飛んで行く。

「方位040に進路変更します。」

「全速前進。」

操舵担当と機関担当が指示を復唱するとまほろばは進路を変え速力を増して進んで行く。

「総員戦闘配置に。」

「総員戦闘配置、繰り返す総員戦闘配置。」

まほろば艦内にアラーム音が響き、乗員達が配置に着いて行く。

「艦長、ドローンが目標海域に到達しました・・・映像入ります。」

20分後目標海域に到達したドローンからの映像を見た恵理香達は戸惑いを隠せなかった。

「あれって船?」

ロベリヤが共用ディスプレイに映し出されている船を見て声を上げる。

「あの様な船見た事ありません、異様にマストが大きいですし、それに布が張られいる様に見えるのですが。」

優香もその船を見て困惑する、様々な船舶を知っている彼女も見た事が無かったからだ。

副長や乗員達も驚いた表情を浮かべ見詰める中、恵理香は別の意味で戸惑っていた。

「あれって帆船?でも何故そんな船が・・・」

恵理香が転生する前の世界では見慣れた、しかしこの世界では見かける事の無い船。

それに恵理香以外まだ気付いていない様だが、船上に居る人々が持つ槍や身に着けている鎧の様なもの。

今自分がとんでもない世界に居る事を恵理香は確信するのだった、とは言え今はそんな事を考えている場合では無い。

目の前でシーサーペントによって人の命が失われそうになっているのだ恵理香としては見過ごす訳にいかなかった。

「前部艦載砲に発光弾を装填、射撃用意を急いで下さい。」

『艦載砲に発光弾を装填・・・目標データ入力完了・・・射撃用意良し。』

火器管制室から指示を復唱する声が返ってくる、シーサーペントと船団の距離が近い為恵理香は発光弾で引き離そうと思ったのだ。

「打ち方始め!」

度重なる弓の攻撃にも海獣には効果が無く王女達は追い詰められたいた。

既に1隻の船が沈められ、残りの船も大小の傷を負っており、兵士達には絶望感が広がっている。

指揮を執る王女もまた絶望感に押しつぶされながらも戦う意志を失ってはいなかった。

「総員槍の準備を・・・例え刺し違えてもやつを倒すのです!」

王女自ら槍を構える姿に兵士達も自らを奮い立たせる。

「そうだ王女様が居るんだ負ける訳には・・・」

「皆王女様に続け!騎士団の意地を見せろ!!」

咆哮を上げ迫る海獣、だが次の瞬間海獣と船団の間に突然光が現れ王女達は目が眩んでしまう。

そして視力が戻った時海獣が進路を変え船団から急速に離れて行くのを王女達は見た。

「一体今のは・・・?」

王女達はその姿を呆然としながら見送るのだった。

「追撃するの恵理香?」

離れて行くシーサーペントを共用ディスプレイで見ながらロベリヤが問い掛けて来る。

「いえまずは状況の確認をした方がいいでしょう・・・彼らに聞きたい事がありますから。」

シーサーペントから茫然とした人々が乗った船団に再び映像が切り替わった共用ディスプレイを見ながら恵理香は言った。

「王女様、左から何かが近づいてきます。」

自分達から離れて行く海獣を茫然と見ていた王女は見張りの兵士からの声に我に返り見つめる。

それはまったく見慣れない形をした船だったからだ。

「お、王女様?」

配下の兵や騎士達が動揺した声に王女は皆を見渡しながら言う。

「皆さん落ち着いて下さい、ここは刺激せず相手の出方を見ましょう。」

まだ敵か味方かは分からなかったが、王女はこの船に不思議と悪意を感じていなかった。

そうやって見守る中、船団の傍で呈した船の前方ある塔の様なところに人が現れた事に王女は気付く。

その姿に気付いた兵や騎士達は王女守る為に周りを取り囲むと槍や剣を構える。

『この船団の責任者の方はいっらしゃますか?』

距離があるのに聞こえて来た声に王女達は顔を見合わせる。

『申し訳ありませんが事情を伺いたいのでこちらに来て頂けませんか?』

その声に暫し考えた末セニア王女は頷くと配下の兵士達に指示を出す。

「小舟を用意して騎士数名付いて来て下さい。」

当然騎士達は反対したがセニア王女は皆を説得すると恵理香との話し合いを行う為まほろばに小舟で向かう。

既に恵理香はまほろばの甲板に優香とロベリヤと共に出て待機している。

「異世界か・・・恵理香の言葉を疑う訳じゃないけど。」

「はい、ただここが北方海では無い事は確かですが。」

恵理香が王女と話している間、商会やギルド本部との通信や現在位置の確認を乗員達が行ったのだが。

結局通信は出来ず、現在位置の確認もここが北方海で無いと分かっただけだったのだ。

「まあ確かに簡単に信じられるものでは無いと私も思ってますよ。」

優香とロベリヤの言葉に恵理香は苦笑しつつ答える。

それはゲームに酷似したこの世界に転生させられた恵理香だから理解出来たと言えるかもしれない。

そんな事を3人が話していると、セニア王女と護衛の騎士達が乗った小舟がまほろばに近づいて来る。

鎧を身に着け腰に剣を差した自分達と同じくらいの王女を3人は興味深げに見つめる。

もちろんセニア王女も同年齢の恵理香達を同じ様に興味深げに見ていた。

やがて小舟が到着し王女が騎士達に助けられてタラップを上り甲板上に上がって来る。

騎士達は腰の剣に手を置き何時でも抜ける様にしている、もちろん恵理香の方も武器を携帯した乗員達が後方に控えていた。

「私が海獣討伐船団の責任者、ラバニラ王国第1王女セニアです。」

セニア王女の返答に恵理香は驚いた表情を浮かべつつ自分も名乗る。

「牧瀬商会所属まほろば艦長の更識 恵理香です。」

これがラバニラ王国王女セニアと北方海の守護天使更識 恵理香の時空を超えた出会いだった。

まほろば甲板上で双方とも名乗った後暫し無言でいたがまず王女が話し掛けて来る。

「この場を設けて貰った事を感謝します牧瀬殿。」

「いえこちらこそセニア王女。」

甲板上で恵理香と王女は向き合うとそう挨拶を交わす。

「・・・それでこの船と牧瀬殿はいずれの国の者達なのでしょうか?」

確かにそこが一番聞きたいところだろうなと恵理香は思い、どう答えるべきか考える。

そんな考え込んでしまった恵理香を見て王女は何か期待に満ちた表情を浮かべ聞いて来る。

「もしかして牧瀬殿とこの船は天が遣わされたものなのでしょうか、だとすれば我々は救われます。」

王女の言葉に恵理香はそうでは無いと答えようかとした時だった。

「そう恵理香は守護天使様ですから。」

何と優香がドヤ顔でそう答えてしまったのだった、いやそれだけでは終わらなかった。

「だから心配しなくても恵理香が皆を助けてくれるよ。」

「ロベリヤまで・・・」

2人の答えに恵理香は慌ててしまう、何しろここは北方海では無いのだ、いくら何でも・・・

「やはりそうでしたか・・・」

「「「おお!」」」

感激した王女と騎士達は膝を着いて恵理香を見る。

「ははは、ここでもこうなるんですね。」

優香と共にドヤ顔しているロベリヤや頷いている甲板上の乗員達を見ながら恵理香は乾いた笑みを浮かべるしかなかった。

その後恵理香は王女から現在の状況を聞かされる。

海洋に接するラバニラ王国にその海獣が現れたの数週間前の事だったと王女。

その出現は唐突であり、多くの船が瞬く間に犠牲になった。

急報を受け王国の船が討伐に出たものの多くが返り討ちになり、ついに王女自身が騎士や兵達を引き連れて出陣して来たのだが。

結果はこちら側の武器がまったく効かず王女は自らの船を体当たりさせて刺し違え積もりだったのだと言う。

「その時守護天使様が現れて下さったのです・・・お願いいたします海獣を倒し我が国をお救い下さい。」

騎士達と共に深く頭を下げ懇願する王女を見ながら恵理香は深い溜息を付くのだった。

「海獣ですか・・・こちらではそう呼ばれているんですね。」

艦橋の艦長席に座りながら恵理香は呟く。

王女との話し合いの後艦橋に戻った恵理香達は状況を確認しているところだった。

一方話し合いを終えた王女達の方はまほろばを離れ自分達の船に戻り待機している。

「まあそうみたいだね、それにしてもシーサーペント、いや海獣は唐突に現れたみたいだけど。」

艦長席の隣に立っているロベリヤが言う。

「それが私達が異世界に来てしまった原因かな恵理香?」

ロベリヤとは艦長席を挟んで反対側に立って居る優香が恵理香に尋ねて来る。

「そう考えるのが妥当でしょうね・・・そして海獣を排除する事が元の世界に戻る条件かもしれません。」

これが自分を引き込んだ世界の仕業ならと恵理香は推察するのだった。

「つまりその条件をクリアーしない限り私達は北方海に帰れない訳だ。」

ロベリヤは深い溜息を付きながら恵理香の言葉に続ける。

「どちらにせよ放置は出来ません、例えここが異世界であってもシーサーペントの脅威に怯える人達が居るのなら。」

そう言い切る恵理香にロベリヤ達は顔を見合わせて微笑み合う。

いかにも恵理香らしいと皆思って・・・まあロベリヤ達にも依存が有る訳では無く、まほろばによる海獣シーサーペントへの対処が決まったのだった。

王女達と別れたまほろばは最初にシーサーペントいや海獣が現れたと王女が言っていた海域に向かって行く。

そこは岩礁帯に囲まれた海域でまほろばは慎重に航行していた。

「レーダー及びソーナーでの監視を厳重にお願いします。」

恵理香がそう指示を出しながらまほろばの進路を細かく指示し海域の捜索を進めて行ったのだったが。

暫く経って共用ディスプレイに映し出されている周囲の映像を見ながら優香が呟く。

「見つかりませんね・・・違う所にでも行ったんでしょうか?」

既にこの海域に入って1時間経過したがシーサーペントを発見出来ないでいたからだ。

「まあシーサーペントと海獣が同じ生態か分からないから何とも言えない・・・」

「艦長!レーダーに反応あり、方位020よりこちらへ接近してくるシーサーペントを確認しました。」

優香の呟きにロベリヤが答えようとした瞬間にセンサー担当が振り向いて報告して来る。

「待機中のドローンを発進させて目標海域へ。」

指示を受け甲板からドローンが発進、管制室の指示でレーダーが捉えたシーサーペントの居る海域へ向かって飛行して行く。

やがて共用ディスプレイにドローンが撮影した海上を行くシーサーペントの姿が映し出される。

「シーサーペント接近して来ます、距離3千。」

センサー担当が複合ディスプレイを見ながら報告して来る。

「総員戦闘配置、艦首及び艦尾の艦載砲とランチャーの発射用意を。」

艦内にアラーム音が響き、艦載砲とランチャーが発射体態勢に入る。

『艦載砲及びランチャーの発射用意良し。』

「総員戦闘配置に着きました艦長。」

艦載火器管制室と副長から復唱する声が艦橋内に響く。

「了解です、進路そのまま、前進全速。」

速度を上げ前進するまほろばにシーサーペントが迫って来る。

「艦首ランチャー発射!」

「目標データ入力完了・・・発射!」

恵理香の指示で火器管制室より目標のデータ入力されたると艦首ランチャーがシーサーペントに向けられロケット弾が発射される。

『目標に弾着します。』

火器管制室からの報告が艦橋内に届く。

「総員衝撃に備えて下さい。」

恵理香の言葉に優香とロベリヤ、乗員達がそれぞれ何かに捉まり衝撃に備える。

次の瞬間前方からの衝撃にまほろばが激しく揺れる。

「レーダー反応は?」

揺れが収まった後恵理香がセンサー担当に確認する。

「目標の消滅を確認しました艦長。」

センサー担当の報告を聞いて恵理香は肩の力を抜くと次の指示を出す。

「ドローンを撃破海域上へ向かわせて下さい。」

一旦海域から離れていたドローンが戻って行くとカメラを作動させて黒い海面に浮かぶシーサーペントの肉片の様子を送ってくる。

「これで王女の願いを・・・」

だがロベリヤが安堵の声を上げ様とした時だった、眩しい光が辺りを覆い始めた事に恵理香は気づく。

「これはまさか!?・・・皆さんまたあの時と同じものが来ます、気を付けて・・・」

恵理香はこれが異世界へ引き込まれた時に受けた状況と同じだと理解し皆に警告し様としたが。

恵理香が言い終わる暇も無く激しい衝撃が襲ってきて再び全員が意識を失なってしまうのだった。

「王女様、あれを!?」

まほろばの後を追って王女の率いる船団はシーサーペントが撃破された海域に向かっていた。

見張りの騎士からの報告にセニア王女は船室から飛び出して来る。

「何が起こったのですか?」

王女が尋ねると騎士は前方を指さす。

そこには大きな水柱が上がるのを見え、遅れて衝撃音が聞こえて来る。

「天使様!?」

その光景に王女が悲痛な声を上げる。

直ぐにでも王女はそこに向かいたかったが、騎士達に安全を確認して来るまで待つ様に説得されてしまう。

やがて危険が無い事を確認され王女の乗る船が、水柱の起こった海域に到着する。

そこにはどす黒く変色した海と浮かぶ海獣の肉片が悪臭と共にあるだけだった。

王女は天使様の乗った鋼鉄の船を探させたが、見つける事は出来なかった。

「まさか沈んだのでは?」

騎士が青ざめた顔で王女に尋ねて来る。

「・・・いえ天使様の船がそんなに簡単に沈むとは思えません。」

王女は遥か彼方の水平線を見つめながら確信を込めて言う。

「天界に変えられたのでしょう・・・深く感謝いたします天使様。」

膝を折り手を組むと王女はそう言って祈る。

「はい王女様。」

周りの騎士や船乗り達も王女の様に祈りを捧げるのだった。

「・・・っう、皆大丈夫ですか?」

再び襲ってきた衝撃に飛んでいた意識を取り戻した恵理香が皆に尋ねる。

「大丈夫です。」と返答が即座に戻って来る、流石に2度目となれば乗員達も慣れた様だった。

「艦内と乗員に異常無しです艦長。」

ダメコン担当からの報告に恵理香は艦長席に深く身体を預けながら安堵の溜息を付く。

「それにしても行くのも帰るのもこれじゃたまったものでは無いね。」

「まったくです・・・そちらの都合で行き来させてこれではやっていられません。」

痛む身体をさすりつつ優香とロベリヤが愚痴る。

「まあそうですね。」

そんな2人に苦笑しつつ恵理香は答えると立ち上がり見張り所に優香とロベリヤと共に出て艦の周りを見る。

「やはり消えていますね、変色海域が。」

転移前にまほろば前方に広がっていた変色海域は最初から存在して居なかった様に消えていた。

「そういえば時間も数十分しか経っていないわ恵理香。」

優香が自分の時計を見ながら指摘する

恵理香も愛用の懐中時計を見て変色海域に到着した時刻から精々10分も経っていない事に気付いた。

「まるで白昼夢ですね、優香とロベリヤに同じ記憶が無ければ信じられないところです。」

水平線を見ながら恵理香は肩を竦めながら言うと、優香とロベリヤも頷いて見せる。

「それで恵理香、これって報告するのかい?」

ロベリヤの問いに恵理香は首を振って答える。

「いえ止めて置きます・・・正気を疑われるだけですからね。」

異世界に行って海獣シーサーペントを倒してきました、そんな事を報告したら異常扱いは大げさでも長期休暇を取らされるだけだろう。

「私達だけの話にしましょう、乗員全員納得してくれるでしょうから。」

乗員達も多分同じ気持ちだろうからと言う恵理香に優香とロベリヤも同意する。

だからこの件はその時まほろばに乗艦していた者達だけの秘密とされたのだった。


17:10 変色海域の調査終了。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ