第16話「カルデラ湖の秘密」
ギガ島のカルデラ湖にある洞窟を3人の若者が乗ったボートが進んでいた。
「おい大丈夫なのか?」
「怖気づいたのか?上手くいけば俺達はヒーローだぜ。」
ボートの先頭に居た男が後からの問いに興奮気味に答える。
「まあ確かに原因を探り当てればな・・・」
答えを聞いた3人目の男がそう言って肩をすくめる。
「なあ・・・あれなんだろうな?」
ふと先程問い掛けた男が震えた声を出しながら前方を指さす。
言われた2人が指さされた方を見ると、前方の水中に黒い物体が有る事に気付く。
「何だ・・・?」
男が正体を確かめる為ボートを近づけてよく見ようと身体を乗り出した瞬間だった。
「ぎゃああ!!」
突然水中から飛び出して来きた黒い物体の口に噛みつかれた男が悲鳴を上げながら水中に引き込まれてしまう。
「「ひっ!?」」
突然の事に2人は悲鳴を上げて動けなくなってしまう。
「た、助け・・・ぎゃぁぁ!!」
引きずり込まれた男が一旦水面に現れ断末魔の叫びを洞窟内に響かせながら再び水中に引き込まれる。
「シ、シーサーペントがなんでここに!?逃げ・・・おわぁぁ!!」
男の1人はそれが小型のシーサーペントだと気づき慌てるが突然突き上げられる様な振動の所為で海中に落ちてしまう。
「うぁぁ!!」
そして最初の男の様に断末魔の叫びを響かせシーサーペントによって水中に引き込まれていく。
「逃げ・・・うぉぉ!」
たった一人残った男は慌て進路を変え逃げようとするが、海中から飛び出して来たシーサーペントにボートと一緒に水中に引き込まれる。
「た、助けてくれ!」
男は叫ぶが容赦なく水中に引き込まれ声は途切れる、そして後にはボートの残骸だけが残り洞窟は静寂に包まれるのだった。
ギガ島の近海にもほろばが到着すると内火艇が降ろされ島の港に向かって行く。
そして桟橋に到着すると乗員の1人がロープを持って素早く上陸して固定すると恵理香と共にロベリヤが桟橋に上がって来る。
恵理香は港を見渡した後、身に着けていた通信機を作動させてもほろばの艦橋に居る優香を呼び出す。
「優香、これから街に向かいます、もほろばは周辺海域の警戒をお願いします。」
『了解よ恵理香、気を付けてね。』
通信を終えると恵理香はロベリヤを見て言う。
「それでは出発しましょう。」
ロベリヤは頷くと恵理香と共に近くに見える街に向かって歩き始める。
「おい来たみたいだぞ!」
街の中に恵理香達が入って来るのに気付いた男が叫ぶと、その声に家々から出て来た人々が集まって来る。
そんな中恵理香は街の中心にある役所の前に到着すると、外に居た職員に声を掛ける。
「牧瀬商会より参りました、代表者の方をお願いします。」
職員はそれを聞くと「し、しばらくお待ちください。」と言って慌てて役所の中に戻って行く。
「お待ちしておりました守護天使様。」
知らせを受けてこの街の評議会議長らしい男性が出て来て恵理香にそう言うと頭を深く下げる。
「いえ天使は・・・」
「もう守護天使様に助けて頂くしかありません、この島をお願いいたします。」
自分の話を聞いて欲しいと恵理香は思わず天を仰いでしまうのだった。
今回恵理香達がギガ島に来た理由は牧瀬商会に入って来たある依頼の為だった。
「それでシーサーペントが目撃されたと言うのは間違いありませんね。」
役所内の会議室に案内された恵理香達は議長から説明を受けていた。
「はい、最初は我々も間違いではないかと思ったのですが・・・」
議長はハンカチで顔の汗を忙しく拭きながら答える。
事の発端はカルデラ湖にある洞窟内の水中で奇妙な影が動き回っていると言う噂だった。
島の人々は質の悪い噂として信じていなかったのだが、先走った若者達が勝手に入り込み2名が行方不明、1名は瀕死の状態の所を発見される。
「その者が最後に残した証言で洞窟内にシーサーペントが居たと・・・」
もしそれが事実なら島の人々にとっては危険な話になる、だから議長は牧瀬商会に調査を依頼をして来たのだった。
「ロベリヤ、島のカルデラ湖にシーサーペントが居る可能性は?」
恵理香が右隣に座って居るロベリヤに問い掛ける。
「聞いた事無いね・・・シーサーペントは外洋でしか生息していないと言うのが常識だからね。」
シーサーペントは陸には上がれないのだから外洋とは隔絶された内陸の湖に現れる可能性は無い筈だとロベリヤ。
「人為的とも思えませんし。」
何者かがシーサーペントをこのカルデラ湖に持ち込んだと言うのも考えられなかった。
救助された青年が息を引き取る寸前に証言していた通りに小型のシーサーペントなら人が運び込めるかもしれないが。
狂暴な事は幼体のシーサーペントも成体とは変わらないのだ、とても人に扱えるものでは無い。
恵理香の呟きにロベリヤは頷くと続ける。
「何故洞窟から出てこないのかも気になるね、どうやって餌を得ているのやら。」
その事も恵理香は疑問に思っていた、誰かが餌を与えていないのならとっくに洞窟から出て来て島民を襲っていても可笑しくないからだ。
つまりそうする必要が無いからだとすれば・・・恵理香とロベリヤは顔を見合わせて溜息を付く。
「その洞窟を至急調査する必要があるね。」
「ただ狭い洞窟ですからね・・・どうしたものか。」
ロベリヤの言葉に恵理香が答えて言う、狭い洞窟な為ボートぐらいしか入れない事は現場の映像で分かっていた。
だがそれではあの若者達の様にシーサーペントの餌食になるだけだ。
残る手は水中から行く事だが効果的な武器を持って行けないから格好の餌食になるだけだろうと恵理香は考える。
「・・・だとすればあれしか有りませんね。」
深く頷きながら恵理香が言う。
「強化外骨格しか。」
ケイが開発した水中作業用強化外骨格、ロベリヤは「あっ!?」と声を上げる。
ドックから派遣されてきた多用途支援艦天草の後部甲板からクレーンで桟橋に止められたトラックの荷台に強化外骨格が降ろされる。
ワイヤーが外され待機して居た優香が荷台上の強化外骨格の点検を始めるのを恵理香とロベリヤが見守る。
やがて点検を終えた優香が荷台から降りると恵理香の元にやって来ると言う。
「恵理香、点検を完了したけど・・・」
優香が険しい顔つきな事に恵理香は苦笑する、まあそれは脇に居たロベリヤも同様だったが。
強化外骨格を使い洞窟を調査する事を恵理香が決断したのだが、ロベリヤと優香に加え連絡を受けた万理華までもが異を唱えたのだ。
「強化外骨格は水中作業用で、シーサーペントと戦う為のものじゃないよ恵理香。」
優香はそう言って反対した、確かに強化外骨格は海中での作業用として開発されたものなのは恵理香だって分かっている。
「それは理解していますが、海中での機動性においては水中スクーターとは比べられないものがあります。」
それは初めて恵理香が強化外骨格を使った時に図らずも証明された、密猟者を捕縛すると言う事で。
「武器の方もケイさんの新型水中銃が有ります、まあ私も正面からシーサーペントと戦う積もりは無いですから。」
何とか優香を説得してようやく恵理香は強化外骨格の使用の許可を得たのだった、まあ完全には納得はしてくれなかった様だが。
そしてロベリヤと万理華も説得し、乗員達を納得させ、ようやく調査を開始出来る様になったのだった。
お陰で恵理香は調査に行く前に多大な疲れを覚える羽目になった。
そして疲れを感じつつ恵理香はロベリヤと優香と共にトラックに乗り込むとカルデラ湖に向かった。
湖の周辺に人の気配は無かった、まあシーサーペントが潜んで居る状態で近寄る住民は居ないだろう。
「優香準備をお願いしますね。」
トラックの運転席から降りた優香は助手席から降りて来た恵理香の言葉に未だ硬い表情のまま頷くと荷台上に上がり起動準備を開始する。
「やっぱり行くんだね恵理香。」
後席から降りて恵理香の傍らに来たロベリヤがこちらも納得出ない表情で尋ねて来る。
「・・・すませんねロベリヤ、こればかりは他人にさせる訳にはいきませんから。」
現状強化外骨格の操作を出来るのが恵理香しかいないのだ、その特殊過ぎる性能の為に。
「本当に恵理香は頑固だね・・・」
ロベリヤは溜息を付きながら言う、どう説得しても恵理香はけっして自分が行く事を止めないだろうとは皆の一致した見解だった。
だから皆の持って行き様の無い憤怒は強化外骨格を開発したケイに向けられていた。
ケイにすれば理不尽な話だが当人は気にしないだろうが。
「恵理香OKよ。」
「ありがとう優香。」
点検を終えて荷台から降りて来た優香が声を掛けると、スーツに着替え終わっていた恵理香はトラックの荷台に掛けられた梯子で上がる。
「これはなかなか・・・」
「・・・そうでしょうロベリヤ。」
荷台上の身体のラインがまとも出るスーツ姿の恵理香を凝視しながら優香とロベリヤはそんな会話をする。
普段は恵理香を巡ってライバルの2人だが、この時ばかりは思いが一致した様だった。
残念ながら恵理香は自分のそんな姿が恥ずかしくて2人のそんな思いに気づいていなかったが。
恵理香は再び荷台に上がって来た優香に手伝ってもらいながら強化外骨格を装着して行く。
「ロック良し・・・恵理香問題は無い?」
「はい問題は無いです優香。」
装着された強化外骨格を確認した優香の問い掛けに恵理香が自身でも確認して答える。
「それでは。」
恵理香の返答を聞いた優香は点検した圧縮酸素ボンベ付のヘルメットを恵理香に被せてスーツと接続する。
「どう恵理香?」
『うんOKです優香。』
優香が尋ねると恵理香は頷いて答える。
「それじゃ海中に降ろします。」
『はい優香。』
荷台に設置されている小型クレーンのリモコンを操作し優香は強化外骨格を纏った恵理香を一旦台車から持ち上げから湖に降ろした。
そして水中に入ったのを優香が確認してクレーンとの接続を解除すると強化外骨格は発進して行く。
『では行ってきますね。』
出発した恵理香を優香とロベリヤが、その姿が見えなくなるまで見守る。
強化外骨格で進む恵理香の視界に洞窟が見えて来る、事前の確認通り水上の部分は小さく水中の方が広かった。
「これより洞窟内に入ります。」
『了解、注意して恵理香。』
恵理香は岸辺で待機して居る優香に告げると洞窟の中に入って行く。
洞窟内に入った恵理香は一旦停止すると周りを見渡す、光が入ってこない所為か水中の視界は悪かった。
『シーサーペントの姿は見えませんね。』
慎重に進みながらもっと奥にいるのだろうか考え恵理香は持って来た水中銃を持ったマニュピレータを構える。
ざぁぁ・・・
その時だった海面がざわつき複数の影が上方に現れた事に恵理香が気付き深度を取って離れる。
現れた影は思った通り小型シーサーペントだった、離れた恵理香を追って潜り込んで来る。
「来ましたね!!」
恵理香は咄嗟にマニュピレータを動かしシーサーペントに照準すると水中銃を発射する。
マニュピレータ越しに振動を伝えながら水中銃から打ち出された銛は真正面からシーサーペントに命中し・・・
「!?」
貫いただけで終わらずシーサーペントを水面から洞窟上方に銛で縫い付けてしまった。
絶句し思わずマニュピレータが持つ水中銃を見る恵理香、シーサーペントもまた同じ様に固まって(?)いた。
確かに人間が使用するものより数倍大きい水中銃だが、いくら小型と言ってもシーサーペントを吹き飛ばすとは・・・
「・・・まあケイさんですからね。」
天災のあの人が作ったものだ、これくらい驚く事では無いなと恵理香は諦めに似た思いで溜息を付く。
「とぼんやりしてはいけませんね。」
我に帰ったのはシーサーペント達の方が早かった、囲むように数匹が潜り込んで来る。
多方向は襲い掛かれば対応出来ないと狩りに長けたシーサーペントは判断した様だったが。
残念ながら天災の作るものにそれは通用しなかった、恵理香は再び強化外骨格を後退させると水中銃を連射する。
発射された銛は次々と命中し洞窟の壁や天井にシーサーペントを縫い付けていった。
ちなみに恵理香が普段扱った事の無い水中銃を的確に扱えるのは強化外骨格のアシストシステムのお陰だった。
恵理香はただ目標を選び攻撃を指示するだけで後は強化外骨格のシステムがやってくれる訳だ。
相変わらずケイの考えるものはチートなんだと恵理香は内心苦笑するしか無かった。
戦いは20分で決着した恵理香の勝利で。
「でもこれ聞いたらギルド長のストレスが増えそうですね・・」
小型でもシーサーペントを艦船の重火器を使わずに倒してしまったのだ。
強化外骨格登場であれだけ厄介事が有ったのだ、これでまた騒ぎが起きるのは確実だろうなと恵理香はレイアに同情する。
もっとも恵理香にとっても他人事では無いのだが、そう例のアニメ『北方海の守護天使』絡みで。
現在絶賛放送中のシーズン2もクライマックスを向けているらしく(恵理香は恥ずかしくて見ていないので詳しく知らないが)。
再び恵理香が強化外骨格で活躍したのだからこちらも話題になるのは避けられないだろう。
既に決定しているシーズン3の作成に加え4の制作も確実で、また取材攻勢に悩まされるのかと恵理香は鬱になってしまうのだった。
取り敢えずその件を置く事にして恵理香は洞窟の奥に進み、まだ孵っていなかったシーサーペントの卵を破壊する。
こちらは片側のマニュピレータに装備されたロケットランチャーを使用した、なお結果については最初の水中銃と変わらなかった。
2発撃っただけで数十個あった卵は全て破壊された、まあその煽りを受けて恵理香が強化外骨格と一緒に数十メートルも後退させられてしまったが。
「さて・・・残った問題は連中がどうしてこの洞窟に侵入したかですが。」
人が運んだとか陸上をシーサーペントがここまで来くるとかは考えられないとすれば残る可能性は・・・
洞窟の更に奥に進んだ恵理香は眼下にあった大穴を見てその可能性に気付く事になった。
強化外骨格のセンサーの測定結果もその可能性を裏付けていると恵理香は確信する。
この洞窟は外海と繋がっていたのだ、しかも成体のシーサーペントが通れる規模でだ。
そして洞窟奥に広がる場所を養殖場として利用していた訳だ。
そこまでの確認を終え恵理香は外で待機していた優香とロベリヤへ状況を連絡したのだが。
2人が洞窟奥が養殖場だった驚きより使用した武器が規格外だった事により怒ったのは言うまでも無い。
「ふふふ・・・ケイ普段から言っているのに・・・いい覚悟ね。」
「手伝うよ優香・・・ほんといい度胸だよね。」
眼のハイライトを無くしそんな事を言う2人を見て恵理香が深い溜息を付きながら宥める羽目になったのはまあ何時もの事だった。
それから2時間後、強化外骨格のデータから洞窟と外海をつなぐ場所を特定した恵理香はまほろばをそこへ急行させる。
遅かれ早かれ養殖場が破壊された事にシーサーペントが気付き報復の為住人達に襲い掛かるのは明白だったからだ。
「艦長!シーサーペントが3匹左舷より急速に接近して来ます。」
複合ディスプレイから振り向いたセンサー担当が報告して来る。
「総員戦闘配置、艦載砲及びランチャーの射撃用意を。」
『艦載砲及びランチャーの射撃用意を開始します。』
「総員戦闘配置!繰り返す総員戦闘配置!」
恵理香の指示を受け火器管制室と副長から復唱の声が返ってくる。
乗員達が駆け足でそれぞれの持ち場に着いて行く、そして艦載砲に砲弾がランチャーにロケット弾が装填される。
「センサーの情報を共用ディスプレーへ。」
そう指示して艦長席に座る恵理香が共用ディスプレーを見る。
共用ディスプレー上にこちらに向かって来るシーサーペント3匹を捉えたセンサーの情報が表示される。
「艦長、総員戦闘配置に着きました。」
『艦載砲とランチャー共に発射準備完了です艦長。』
火器管制室と副長からの報告に恵理香が頷くと次の指示を出す。
「両舷全速!進路はそのままで。」
「両舷全速!」
「進路をそのままに保ちます!」
操舵担当と機関担当が復唱、もほろばは速力を上げシーサーペントを迎え撃つ態勢に入る。
『測的完了、発射データを火器管制システムに入力完了しました。』
もほろば前後2基の艦載砲とランチャーが左舷に旋回し仰角を上げる。
『射撃用意良し。』
「全ランチャー射撃開始。」
前後の発射機からそれぞれ8発のロケット弾が発射される。
発射された計16発のロケット弾がまほろばに接近して来た前方に居た2匹に降り注ぎ一瞬で肉片に変えてしまう。
それを見た後方の1匹はまほろばから逃げ始めるが恵理香は逃す積りは無かった。
「進路そのまま、全艦載砲打ち方始め。」
『打ち方始め。』
2基の艦載砲から同時に発射されたの砲弾が逃げようとしていた残り1匹に命中する。
砲弾を受けたシーサーペントは身体の半身を失いながらも逃亡を続ける。
「取舵一杯、コースをシーサーペントの左舷へ取って下さい、左舷ガトリング砲打ち方用意。」
まほろばが舵を左舷に切りシーサーペントの左舷側への進路を向ける。
「左舷側にシーサーペントです。」
シーサーペントの左舷側にまほろばが並ぶ。
「ガトリング砲打ち方始め。」
『打ち方始め。』
左舷のガトリング砲が打ち込まれ瀕死のシーサーペントはどす黒い体液を撒き散らしながら沈んで行く。
「全てのシーサーペントの撃破を確認しました艦長。」
艦橋内に満ちていた緊張が消え乗員達の間に安堵の溜息が流れる。
「戦闘配置を警戒配置へ・・・皆さんご苦労様でした。」
こうして突如湖に現れたシーサーペントから始まった謎の事件は終息したのだった。
「それにして・・・まさか繁殖場所になっていたとはね。」
警戒配置になった艦橋の艦長席横に立ち紅茶を飲みながらロベリヤが溜息交じりにそう言う。
「まさか外海と繋がっていたとは想像出来ませんでした恵理香。」
艦長席を挟みロベリヤの反対側でミルクティーを両手で持ちながら立って居る優香が続く。
「それは私もです優香・・・まあ今回は強化外骨格のお陰で何とかなりましたが。」
恵理香がコーヒー、もちろん優香が直々に用意したものを飲みながら答える。
「そう言って頂いて嬉しいけど・・・やはりケイには釘を刺して置いた方がいいわ。」
「確かにそうだね優香。」
再び目のハイライトを消して話すロベリヤと優香に恵理香は苦笑しつつ宥める。
「まあほどほどにして下さいね。」
この後ケイが2人にどんな目に会わされたかはご想像にお任せする。
また恵理香が思った通り今回の活躍によりアニメ『北方海の守護天使』は更に注目される事になり彼女を深く悩ませる事になった。
11:45 カルデラ湖に出現したシーサーペントの掃討を完了。




