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偽りのアムネシア~王子様とOL~  作者: 幸村 侑樹
【第2章】
80/115

王族であるということ ~即席マナー教室~

「やっぱり、王子様って大変なんだね」


 部屋で夕飯を食べながら、彩那はげっそりと言った。


 ミハイル指導の元、はりきってテーブルマナーに臨むも、普段の生活とかけはなれたことは、やりなれない。カトラリーの使い方が独特で、指先がつるかと思った。


「ゆっくり覚えればだいじょうぶだよ」

 向かいに座るミハイルがやさしく笑う。教えながら食事という面倒な状況なのに、彼は優雅に料理を口へ運んでいる。


 彩那は尊敬と疲れの入り混じったため息をつく。箸休め的にプレッツェルに手を伸ばし、ひと口サイズにちぎった。


——たしか、スープやソースにつけていいはずだよね


「パンはそのままか、ちぎったほうにバターやジャムをつけて食べてね。こっちだとスープやソースにつけるのは、マナー違反になっちゃうから」


「えっ、そーなの?」


 パンの食べ方マナーは世界共通だと思っていた。


「フランス式だとOKなんだけど、こっちはドイツ式とオーストリア式が主流だから」

「そ、そーなんだ」

 彩那はちぎったプレッツェルを口に入れる。

「国によってマナーも変わるから、ややこしいよね」


 ナイフとフォークを交差させて皿に置くと、ミハイルもプレッツェルをちぎった。当然、公務で外国へ行くこともある。


——"王族"ってだけで、もうありえなくない? 


 言語だけじゃなく、その動きひとつひとつが、すべて世界から注目される。


「やっぱり王子様って大変なんだね」

 しみじみとつぶやき、彩那はプレッツェルを噛みしめた。

「でも、ミーシャの動き……所作っていつも、すごくきれいだから見とれちゃうよ」

 大変とか同情しながら、ほめるってちょっと矛盾してるかもと思いつつ。

「ありがとう。アヤ」

 はにかむミハイルに、どきっとしてしまう。

「う、うん」

 胸に現れた熱が広がって、のぼせていくのが自分でもわかった。

 ちぎったプレッツェルをひたすら、ちまちま咀嚼する。心臓がうるさくて、残りの料理はただ飲みこんだ感触しかしなかった。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

次回更新も読んでいただけるとうれしいです(⋈◍>◡<◍)。✧♡


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