表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽りのアムネシア~王子様とOL~  作者: 幸村 侑樹
【第2章】
72/115

Amnesia-アムネシア- 3

「アムネシアだね」


 ミハイルが目の前のバラを見てつぶやく。


「アムネシア?」

「記憶喪失のことだよ」


 告げられた言葉の意味に、彩那はどきっとなった。

「このバラは時間が経つと色が変わっていくから。その様子がまるで記憶を塗り替えているみたいだから、そう名づけられたんだって」


 だからグラデーションになっているのか。

 なんだか他人事のように話すミハイルに、少し切なくなった。


「アヤ?」


「ごめん……なんか嫌な気もちにさせたかな」


「どうして? このバラの名前ってだけだし。こんなにきれいな花と同じなら、ちょっとうれしくならない?」


 うつむく彩那に、ミハイルは天真爛漫な声で語る。


「ずっと変わらないままであることも尊いけれど、変わっていくことが悲しいとは思わないよ。アヤと会えたのもいいことだったし、いっしょにすごせて楽しいよ。このバラが色を変えていくのは空と同じで、思い出を重ねていったぶんだけ色があるんだと思う」


 頭をぽんぽんと叩かれ、彩那はほっとした。


「大使館にも飾ってあったよね?」

「ティーセットの絵付けもアムネシアだよ」

「やっぱり! 似てるなって思ってた」


 じっ、とながめて、その咲き誇る姿を目に焼きつける。


 儚げな色は、過ぎ去った時を懐古しているかのようでもあった。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

次回更新も読んでいただけるとうれしいです(⋈◍>◡<◍)。✧♡


評価&ブックマーク登録&いいね をポチっとしていただけると、

とーっても執筆作業の励みになりますのでお願いします‼


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ