雨音の響くベッドで 2
意味深なサブタイトルですが、以下同文←
——いつ、記憶って戻るんだろう?
確実な治療法がないなんて、暗いトンネルの中を永遠と歩き続けるようなものだ。
そんなしんどさを抱えたひとを、住む世界がちがいすぎる王子様を、単なる一般人の自分なんかが支えられるのだろうか。考えれば考えるほど、不安が重くのしかかった。
帰国後もどうなるのか。もしかしたら今の会社を辞める可能性だってある。今回のことは、大使館から説明がなされ、くわしいことは社長と副社長のみに伝えられた。所属部署には、適当な病名で傷病休暇が申請されたようだ。
——もし、使いきっちゃったらどうしよう
やっと内定したところだったのに。就活に逆戻りすることにも気が重たくなった。アパートの更新もどうなるのか。でも、こんなふうにはなれてみると、あそこ以外でもいいように思えてくる。どうせ戻っても、手柄横取り上司にイライラするだけだ。転職するにしても帰国できればの話だが。
「期間限定だけどよろしくね」
不安をかき消そうと、彩那はつとめて明るく声を発した。
「こちらこそよろしく。僕の記憶が戻ったらちゃんと帰れるからだいじょうぶだよ」
「ミーシャ?」
なぜだか確信に満ちた声に彩那は、きり、と胸が痛んだ。
——別に、最初からそういう契約だったじゃん
感じているものがなんなのか、不確かでよけいに歯がゆくなる。そのカタチの見えないやわらかな存在を噛みしめ、彩那は目を閉じた。
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