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偽りのアムネシア~王子様とOL~  作者: 幸村 侑樹
【第2章】
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書斎会議 1 ~従兄弟~⑦

(元気な声だったよね)

 前のめりな彩那の姿を思いだしミハイルはくすくすと笑う。緊急時でもない限り、会話に割りこむのはマナー違反だと、彼女もわかっていただろう。

——そんな純粋な好意をだましているのが少々心苦しい。

(とっさについた記()()だったけど、好都合だったね)

 迷いをふりきるようにミハイルは乾いた声で笑う。

 一時的な温情は彼女のためにもならない。民間人には、なおのこと詳細は明かせない。こちらの内情を伏せつつ保護下に置き後腐れなく関係を清算するには、それなりの理由が必要だった。明確な治療法が確立されていない記憶喪失ならば、“ことがすべて終わったとき=記憶が戻る”という着地点を用意できる。大義名分としても申し分なく、日本側も婚約者(・・・)の同行を快諾した。

 ミハイルはハインリヒとゴットフリートを見やる。

(ダミアンも、きっとまた“お見舞い”にくる気だろうし。ちょっかいを出されないように見はってないとね)

 何も知らない彩那から、いろいろ聞き出すことが予想される。婚約者にしたてたのは、彼女にも説明したとおりだ。

(女王不在の今、王城内で一番安全なのが殿下のとなりだからな)

(母にも、一応反対はされずに済んでよかったよ)

 ミハイルは、ほっとしたように肩をすくめる。絶対的権力を持つ女王の許可なしに勝手な行動はできない。今回のことについても「体に気をつけて。仮でも婚約者は大事にしなさい」と言われた。現在は国外で公務中だが変わり事もなくすごしているそうだ。どことなく楽しそうなミハイルにハインリヒは忠告する。

(くれぐれも彼女に深入りはなさらないでくださいね。いずれ逃がす鳥なのですから)

(わかっているよ)

 ミハイルは自分自身に言い聞かせるように答えた。

(だから彼女には“海外旅行で王子様との思い出”を作って帰国してもらうよ)

——おたがい必要以上の対応は求めてはいない。

(ま、鉄面皮のだれかさんとちがって、うまくやれるんじゃないの)

 あからさまにハインリヒを見るとゴットフリートは、くつくつと笑った。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

次回更新も読んでいただけるとうれしいです(⋈◍>◡<◍)。✧♡


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