66 そして試験の結果は(1)
昼食は盛大に行われた。
今日が終われば夏休み。
夏休み中にパーティーなどで会う面々もいるだろうけれど、やはり学校で会うのとは違う。
しばらく子供達だけでのんびり昼食を取れなくなるということで、まるで打ち上げのようにクラスの女子達が高等科近くの草原に集まった。
思い思いにバスケットに入った食事を買って、シートをくっつけてその上に座り込む。
空は夏の雲が流れる。
暑いくらいの空気の中、そよぐ風が心地いい。
みんなまだドレス姿ということもあって、盛大なガーデンパーティーのようだった。
ざわざわと自分の場所を確保する中で、女の子達の一部が、「きゃー」と湧き上がる。
見ると、エリックを先頭にしたクラスの男子の面々がこちらへやって来るところだった。
レイノルドと一緒に居たらしく、レイノルドにアルノー、そしてなぜかマーリーまでも一緒だった。
「俺達も一緒にいいかな」
エリックが申し訳なさそうな微笑みを見せた。
前髪が、揺らぐと、潤んだ瞳が顔を覗かせた。
!?
すごい……。
すごい破壊力だわ、エリック……。
さすが王子……。
例えるならこれは……、『女の子と盛り上がる為の58本』の中の一作、少女漫画の名作『僕の瞳に君を映して』5巻の名シーン。
真山くんが少し寂しい顔で言う『僕じゃだめかな』に匹敵するほどの破壊力だわ。
女の子達の「もちろん!」「殿下、こちらへ」「ほら、あなた達も早く!」という声が小鳥のように騒ぐ。
そんな風に、高等科1年のほとんどのメンバーが、草原の輪になって昼食を取る事になった。
右にはシシリー、左にはエリックが座る。
ちなみに、シシリーの更に右側はアイリが、エリックのさらに左にはレイノルドが座っていた。
いつも制服のみんなが正装をしてサンドイッチやハンバーガーを囲む姿は、非日常を感じてなんだかおかしかった。
自然と笑顔も多くなる。
「ほらな、アボカドチーズハンバーガー、うまいだろ」
「ああ、確かにコレは、僕も好きだな」
隣でエリックとレイノルドの話し声が聞こえる。
「アリアナも今日は、ハンバーガーなんだな」
ふと、エリックに話しかけられ、少し驚きながらも、アリアナはそちらを向いた。
「ええ、そう。これはとろとろチーズバーガー」
にっこりと微笑む。
「ポテトも美味しいのよ」
「へぇ」
レイノルドがポテトを一口食べるのを、見守る。
これだけの人数がいても、意図せず幼馴染み3人と一緒に昼食を食べる事になるのが、なんだかくすぐったかった。
みんなが食事を終えた後、一番最初に立ち上がったのは、マーリーだった。
当たり前のように、アリアナの方を振り返ると、
「そろそろ行くぞ、アリアナ」
と、当たり前のように声をかけた。
またこいつは注目されるようなことを……!
この目立ちたがりは、そういう配慮に欠けているのだ。
立ちあがろうとすると、なぜかレイノルドと目が合った。
「…………」
やっぱり悪目立ちしてるじゃない!
「……全員の成績なんだし、全員で見に行きましょう」
そう声をかけると、レイノルドが一つ小さくため息を吐いて立ち上がった。
「そうだね、僕も初めての自分の順位、気になるし」
それをきっかけにクラスメイト達が次々に立ち上がる。
結局、約50人ものメンバーでぞろぞろと廊下まで歩いて行く事になった。
あまりヒーロー補正のかからないレイノルドくんですが、そろそろレイノルドくんのターンこい〜〜〜!




