47 ドレスを着る日(3)
そんな風にアルノーに連れられて、アリアナはアイリの所まで辿り着いた。
アルノーもハーレムに入れるつもりだから、仲良くなっておいて損はないわね。
アイリのいる場所には、すでにシシリーが辿り着いていて、どうやらもう心配はなさそうだった。
「さて、安全に送り届けましたよ、お姫様」
「ありがとう、アルノー」
新進気鋭の魔術師アルノー。
国で一番有望だと言われる魔術師、レイノルド・ルーファウス自らが認め、そばに置いているとの噂だ。
明るくて人当たりもいい。
手を振ると、手を振り返し、レイノルドのところへ向かって行く。
「アリアナ様!」
アイリが正式なお辞儀をする。
教えた通りのその挨拶は、初めて会った時よりもずっと上達していた。
「いらっしゃい、アイリ、シシリー」
シシリーの方は、麗しき伯爵令嬢の挨拶だ。
話しかけようとしている男性が周りに数人いるのを確認した。
黙っていれば癒し系。
狙う男性もそりゃあいるだろう。
シシリーはうちの子だもの。あげないわよ。
アリアナがにっこりと二人に近づいていく。
「お招きありがとう」
「ええ」
すっとアイリのそばに立つ。
「アイリ」
「…………っ!」
「お腹が空いてるの?」
「え、いえ。美味しそうだなぁって、思ってしまいまして」
あまりの近さに照れながら、アイリが、えへへ、と笑う。
うんうん。
いい反応だわ。
「お父様と王家の方々が来て、挨拶が済んだら食べてもいいわ」
「なるほど」
ゴクリ、と喉を鳴らすアイリの瞳は、食事が並ぶテーブルに釘付けだ。
「あら、ドラーグが居るわ」
アリアナのその言葉に、アイリはもう、一人食事の物色をしているドラーグのそばへとちょこちょこと寄っていっていた。
シシリーが苦笑する。
「私、二人と一緒にいるわね」
「ありがとう、シシリー」
結局、二人とは挨拶だけを済ませ、アリアナはホールの中心へ戻って行った。
アレスとルナの元まで戻ると、ホールの扉が開いた。
アリアナの父であるサウスフィールド公爵と夫人、それに今回の主役、ロドリアスが入ってきたところだ。
アリアナと下の二人も、外向けの顔を作った。
サウスフィールド公爵が、みんなを見渡す。
「今日は、息子のために、よく来てくれた」
よく通る声。
これなら、戦場でも味方は鼓舞され、戦いやすいというものだろう。
前に出たロドリアスは、公爵とは正反対に、細身でにこやかだ。
「今日は、集まってくれてありがとう」
けれど、ここにいる誰もが知っている。
内に秘める熱意は、公爵にも引けを取らないと。
そしてサウスフィールドの子供達4人が揃ったところで、また扉が開くことになった。
最後の招待客が入る時間だった。
女の子3人。2人がアイリの保護者感ありますが、3人とも仲良しです。




