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悪役令嬢はハーレムを作りたい!  作者: 大天使ミコエル


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45/240

45 ドレスを着る日(1)

 家族全員が揃った夕食。

 テーブルの上には、いつもより多めの食事が並ぶ。

 夕食でさえ、全員が揃う事もあまりないので、料理人達が気合いを入れてしまったのだろう。


 サウスフィールド公爵が、全員の顔を眺めてから、口を開く。

「この度は、優勝おめでとう、ロドリアス」

「ありがとうございます、お父様」

「アリアナも、よく頑張ったな」

「ありがとうございます」


 アカデミーの剣術大会の結果は、新聞にも載る。

 そうすると、社交界でも話題になり、婚約の申し込みも多くなる。


 ロドリアスは去年優勝してからも引く手数多だったが、二連覇ともなると、より一層人気も上がってしまうはずだ。

 この時期の社交シーズンに相まって、パーティーへの招待も増える事だろう。


「色々と煩わしい事が増える前に、うちで祝賀パーティーをやってしまおうと思うんだ」


「あら、いいですね」

「わーい!パーティーだ!」


 そんなわけで、急ではあるけれど、サウスフィールド公爵家では、大掛かりなパーティーが催される事となった。


 友人達や王家も呼ばれる、かなり大きなパーティーだ。



 約1週間後の当日、アリアナはいつになくドキドキしていた。

 高等科に上がって、初めてのパーティーだ。

 主役はロドリアスだから、そこまで派手にはしないものの、パーティー用に作ったドレスを着るのは楽しみだった。


 サナが、アリアナの髪にパールをあしらった髪飾りを着けていく。

 時間をかけ、ふんわりとしたライトブルーのドレスで着飾った。


「お綺麗ですよ!アリアナ様!」

 サナが、ポンと手を打つ。

「ありがとう」


 大きな鏡の前でクルクルと回る。


 うん。

 確かに、私、綺麗じゃない?


 会場へは、アレスとルナと並んで入った。

 大きな扉が護衛騎士によって開けられると、大勢の視線に晒される。


 落ち着いて。


 いつも応援してくれている女の子達の「はわぁ……」という声が、遠くの方で聞こえた。


 煌びやかなサウスフィールド公爵家の、大ホール。

 何代にもわたって、”王の剣“を務めてきた家だと誇示する、壁にかかった剣。

 煌めくシャンデリア。

 ダンスパーティーという名目ではないけれど、数人の楽隊が音楽を奏でている。公爵家で抱えている楽隊のようだった。


 急だというのに、思った以上に着飾った人が大勢居た。


 アレスとルナも、もう11歳と10歳。少し大人になったのか、会場に入ってから微笑みを讃え、大人しくしている。


 大勢の人が、アリアナへ挨拶をしに来た。

 何度も同じような挨拶をし、段々と飽きてきた頃。


「オーッホッホッホッホ!!!」

 大きな高笑いが聞こえ、周りが騒つく。

 バッサ!

 孔雀かと思うほど立派な扇を拡げ、そこに立っていたのは一人の少女だった。

 真っ赤なドレス。縦ロールの髪。

「アリアナ様!お久しぶりですわ!」

 それは、確かに剣術大会での試合相手だった。

 間違いようもない。あの縦ロール!でかい声!


 確か名前は……。


「エカテリーナ様、お久しぶりです」

 にっこりと笑う。


 周りが騒ついた。

 目立つからか、なかなかの有名人らしい。

「エカテリーナ様とアリアナ様が交流してらっしゃるわ」

「ご覧になりました?この間のお二人の試合!」

「交わした剣で通じ合う想いがあるのだわ」


 エカテリーナがフッと笑う。

「あなたの剣技、お見事でした。感服致しましたわ」

 射抜かれそうな、真摯な瞳。


 この人は、本気で剣術をしているんだ。


「ありがとうございます」

 交わした剣で通じ合う想いがある、か。確かに少しはあるかもしれないわね。


「また、試合で会えるといいですわね」

 バッサ!

 孔雀のような扇をはためかせ、エカテリーナは下がって行った。


 試合に出て、良かったわ。


 エカテリーナの後ろ姿を見て思う。


 こんな風に、祝賀パーティーは始まった。

この国では、春から夏にかけては社交シーズンです。

アカデミーもこの社交シーズンに合わせ、春に進級することになります。

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