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悪役令嬢はハーレムを作りたい!  作者: 大天使ミコエル


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35/240

35 騎士の名家に生まれたからには(3)

 向かって来るシャルルを受け止めるように、攻撃を仕掛ける。

 けれど、アリアナの剣は器用にも避けられてしまう。

 流石に、騎士の名家の息子だけはあるか……。

 けど、私もそうだから……!


 何度も剣を重ね、何度も攻撃を受け流した。


 幸い、シャルルの体力は、アリアナとそれほど変わらないようだった。

 二人とも、息が切れる。

 もうこれ以上、時間をかけるわけには、いかない。


 アリアナがシャルルを真っ直ぐに見る。

 シャルルの攻撃は、少しだけ弛んでしまったようだ。

 アリアナが、少し腰を落とした。


 その瞬間は、まさに奇跡だった。


 アリアナの剣が、その弛みに引き寄せられるように、突き出す。

 アリアナのすぐわきを、シャルルの剣が掠める。


 シャルルは、後ろへ転がり、剣を離してしまった。


「……っ!」


 まるで、時が止まったようだった。


「ま、参りました……」

 シャルルが呆然としたまま呟くと、アリアナが尻もちをつくように座り込んだ。

「…………」


 シャルルと目が合う。

 しんと静まり返った中、シャルルが立ち上がった。

 アリアナが見守っている間に、シャルルが立ち上がり、アリアナに手を差し出す。

 アリアナが、その手に掴まり立ち上がった。

 シャルルが、困ったように笑う。

「完敗だったよ。ありがとう、アリアナ様」

「シャルル、あなたは強かったわ」

 アリアナが、笑顔を返す。

「私のお願い、聞いてくれるんでしょう?」

「ああ。なんでも」

 握手だった手はそのまま繋がれ、シャルルが跪き、忠誠のポーズになる。

「ご用命は何でしょうか、アリアナ様」


 その姿に、レイノルドだけではなく、ロドリアスとジェイリーまでもが尖った視線を注いだ。


「そうね。私の……、」


 レイノルドは思う。

 まさか、ハーレムに入ってくれとか言わないよね?


「お友達になって欲しいの」


 アリアナが、にっこりと笑顔を贈る。


 その瞬間、レイノルドとロドリアス、ジェイリーが、こっそりと眉をひそめた。



 その後は、なぜかジェイリーがプンプンしていた。

「お嬢様を守るのは、俺だけで十分なんですよ?」

「わかってるわ。あなたを信頼してる」

 アリアナは、笑いながら、ジェイリーと二人で歩く。


 馬車へと向かう道すがら、庭園の中にレイノルドが居たので、ジェイリーが気を利かせたのか、

「馬車の準備をしてきますね!」

 と走って行ってしまった。


「え、と?」


 そんな風にされても、レイと話す事なんてないけど……?


 訝しみながら通り過ぎようとした所で、

「アリアナ」

 と、声がかけられた。


「…………」


 レイノルドの前で、足を止める。

 別に、無視したいわけじゃない。


 けど。

 目だって合わないじゃない。


 レイ。


 レイ。

 こっちを向きなさい。


 ふいっと、レイノルドの目が、こちらを向いた。


 淡い色なのに、深い瞳。


「…………っ」


「今日、すごかったよ。おめでとう」


 レイノルドが、静かに言う。


 ひだまりが揺れる。

 レイノルドのプラチナブロンドが、目に眩しい。


「…………ありがとう」


 それだけを言うために呼び止めたの……?


「本当に強いね」

「もちろんよ。レイにも負けないわ」

「だろうね、おてんば姫の名前は、伊達じゃないからさ」

「も、もうっ……」


 そんな言い方……!


 レイノルドはやっぱりどこか意地悪で。


「ふふっ」


 けど、子供の頃みたいに笑った。


「レディに向かって何て事言うのよ」


 他に、誰もいない、よね。

 アリアナはキョロキョロと周りを見まわす。

 他の誰かじゃない。

 私に笑顔を見せてるんだ。


 私の前でだって、そんな顔出来るんじゃない。


 アリアナが、袖でゴシゴシと顔を擦る。


 出来るんじゃない。

これはもう、どっちがツンデレなんですかね?

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