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悪役令嬢はハーレムを作りたい!  作者: 大天使ミコエル


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24/240

24 お昼ご飯は食べました?(2)

「慣れてなくて、さ」

 そう言いながら、ドラーグが手首にかかる宝石付きの腕輪を示した。


 アカデミーでは、生徒達に、魔法陣付随のペンダントトップのような宝石が配られる。

 これは、アカデミー内で、お金の代わりになるものだ。


 実際のところ、生徒ならば、わざわざアカデミー内の店で、お金を出して買う必要はない。

 昼食程度賄えるほどの金額は、学費として支払われている。


 けれど、この国のトップに立つ者を育成する機関として、金銭感覚は失わせてはいけないと、形だけでも金銭のやり取りが行われている。

 全てのものには値札があり、生徒ならばこの宝石を読取機に読み取らせることで、品物を手に入れることが出来るのだ。


 宝石は持ち歩いていればどのような形でも問題はなく、腕輪のようにする者も居れば、ペンダントにする者も居る。

 アリアナは、ただ、キーホルダーのようにスカートに吊り下げている。


 アリアナが、「フフッ」と笑う。

「あなたみたいにお金に慣れている人が、昼食を買うのも怖いだなんて」


「……俺みたいな平民が、何処に居ればいいのかわからないし」


 やっぱり、高等科から入ってきて不安なんだ。

 周りは貴族ばかりだものね。


「心配しなくても、平民はクラスにも何人かいるし、いじめられたなんていう話は聞かないわ」


 そこで、少し困ったような顔をしたドラーグに、バスケットを差し出す。

「沢山持ってきすぎてしまったの。半分どうぞ」


「そ、んな。サウスフィールドのお嬢様に、……恵んでもらうなんて」


「恵んでるんじゃないわ。タイリウ商会がお金持ちなのは、誰だって知ってることよ。これは、たまたまそこに居たクラスメイトへのお裾分け」

 そこで、全力のにっこりをお見舞いしてあげる。

 この、ホストを学んだ公爵令嬢の笑顔に勝てる人間など居ないのだ。


「あ〜……、ああ。じゃあ、いただくよ」


 そこからは、意外とほっこりとした時間だった。

 二人でお茶を飲み、公爵邸お抱えのシェフが作ったサンドイッチを食べながら、ちょっとした雑談をした。

 今までどんな学校に居たかだの、どんな授業を取るかだの、新しいクラスで出会ったクラスメイトが盛り上がる、よくある雑談だ。


「じゃあ、明日は一緒にアカデミーを探検しましょ」


「え……。けどそれじゃあ、サウスフィールド、公爵令嬢が」


「あら」

 どうやらドラーグは、敬語を使わないといけないと思ったようだ。

「王子の宣言、聞いたわね?アカデミーでは、生徒はみんなが対等なの。そんなに丁寧にしなくていいわ」

 にっこりと微笑む。

「名前でいいのよ」


「…………アリアナ」


 呼び捨てだと、すっかり友人のようだ。

 まあ、いいわ。

 ハーレムに入れる予定の人だものね。


 アリアナは、「フフン」という顔をした。

「私とお友達だって、少し見せておいたらいいわ。あなたもその方が、安心出来るでしょうからね」

着実にハーレム作りが進んでると言えるんじゃないでしょうか!

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