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161 2日目!(1)

 2日目は、何事もなく終わった。


 アリアナはまたレイノルドが店に来るんじゃないかと期待して待ってはみたけれど、その気配はないまま終わった。


 ……レイだって、お店の責任者なんだから、忙しいはず。


 仕方ない。


 後片付けの空気になった学内を見回し、店の片付けを始めた。


「アリアナ様、それが終わったら休憩にしよ?」

 後ろから声を掛けてきたのはシャルル・バーガンディだ。


 剣術の得意なシャルルは、文化祭では剣の演舞に参加していた。

 1日目に出し物は終わってしまったので、今日は学内をうろうろと遊んでいたというわけだ。

 両手には、アリアナ達のために買ってきた食べ物を抱えている。

 ドーナツやシュークリーム、プリンなどなど。


 まだ、本格的に片付ける必要はない。

 明日は片付け日になっているので、それまでに持ち出しやすく纏めておけばいいだけだ。


「そうね。パーティーまではまだ時間があるし」


 夕方からは、打ち上げパーティーがあるのだ。

 文化祭実行委員が主催の生徒主体のパーティーだけれど、制服ではなく盛装で参加する本格的なパーティーだ。


 シシリーがそのスイーツの量に驚く。

「パーティーの前にそんなに食べたら、夕食が入らないじゃない?」


 シシリーは裏方だったので片付けるものもなく、店の服を見に来ていた。


「いいんだよ。どうせパーティーで食事にがっつくような令嬢じゃないだろ」


 それから、『ハローハーモニー』では、小さな、けれど思ったよりは盛大な打ち上げが行われた。

 店にテーブルを出し、スイーツを並べる。

 アリアナ、アイリ、ドラーグ、フリードの『ハローハーモニー』の4人、それに、スイーツを持ってきてくれたシャルル、店を見にきたシシリーと、思いの外大勢でテーブルを囲む。


 アリアナがシュークリームを頬張った時、店の扉が開いた。


「いらっしゃいませ〜」

 アイリがニコニコ笑顔で迎える。すっかり看板娘の貫禄だ。


 入ってきたのは、隣で問題集を売っていたマーリーだった。


 ドヤ顔でアリアナに詰め寄る。

「売り上げ対決、どうだった?」


 まったく、暑苦しい人ね。


「あなたこそどうなの?」

 アリアナじゃ、言いながら注文書をバサバサと見せびらかす。

「うちは、これだけ売れたわ。見て?これが全てお金に変わるのよ」


 マーリーが流石に焦った表情を見せる。

「……うちは、木箱6箱売り切ったよ。売り上げはこれだけだ」

 と、マーリーは惜しげもなく売上表を見せてきた。


 お互い、フェアにいかないといけない、か。


「じゃあ、うちのも」


 二人で売り上げ表を覗き込む。


「これは……」

 マーリーが神妙な顔をした。

長い文化祭エピソードも終わりに向かうということで!

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