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16 第一回ハーレム計画会議(1)

「この部屋に人を入れたのは久しぶりなの。小さい頃は、幼馴染み達とここで遊ぶ事もあったのだけど。あなたが久しぶりのお客様ね」

 にっこりと笑う。


 とりあえずこういう場では、笑っておくに越した事はない。


「幼馴染みか。いいね」


 その言葉に、アリアナが少し陰りを見せた事が、ライトには見えたようだった。

「今はあんまり、仲良くないの?」


「あ、うん……。エリック王子とは今でも、時々会ってるんだけどね」

 へへ、と笑う。

 右手で掬った髪が、するりと指から抜けた。


「王子、とは仲良いんだね」


「ええ」


「恋人、とか、だったり?」


「え?」


 そんな事を聞くなんて、何処かの派閥のスパイ?


 アリアナは、苦笑してみせた。

「そんなわけないわ」


「そう、なの?」


「うん。ただの友達……あ、でも」


 アリアナの声に、ライトがハッと顔を上げた。


「ハーレムの一員には、しようと思ってるの」


「…………」


 異様な沈黙の後で、


「は!?」


 ライトが大きな声を上げた。


 素の声。

 ライトの仮面が剥がれた瞬間だった。


「ハ……レム…………。え?」

 何かの聞き違いだろうと、ライトは目を閉じ、右手で顔を覆った。


「ハーレム!」

 アリアナの、今日一番の笑顔だった。

「いい男達に恋愛感情を抱かせて、侍らせるの!私の事を、あま〜い瞳で見つめるのよ」


「なんで、そんな事を」

 ライトが、悪魔と出会った人のような顔でアリアナを見た。もしくは、人間の命を捧げてキメラでも作ろうとしている人でなしを見る時のような顔で。

 この世にそんなものが存在するなんて、とでも言いたげな驚愕と、こんなものを見てしまった自分の人生はここで終わるんだという絶望が、ないまぜになった顔だ。

「何か……悩みがあるなら相談に乗るけど」


「ううん!絵になるからよ!」

 いい顔で笑うアリアナに、ライトはもう何も言う事が出来なかった。


「好き……とか」

 諦めきれない目つきで、ライトが問いかける。


「好き……?恋愛として……?」

 むむっと考え込むアリアナを、数秒間、ライトが見守った。

 頬を手で包んだまま、アリアナはほよん、とした顔を窓の外に向けた。

「……今は、好きな人は居ないわ」


「…………そ、か」


 ライトが小さく呟いた。


 その話は、そこで終わりではなかった。

 ライトは、左手に開いたノートを持ち部屋の中を歩き回るアリアナのご高説を聞かなくてはならなかった。


「やっぱり、顔が良い方がいいと思うの。絵になるでしょ。それに、役に立つ人」

 ピッピッと人差し指を振る。

「まず、エリック王子」

 ピシッとライトの方を見る。

 ライトは既に虚無の顔をしていた。絶望を見てしまった人間の顔だ。

「まず、王子なんだね」

「そうよ!エリック王子は、王になる可能性もあるし、ならなくてもこの国の中心に居る可能性があるの」

「…………え、それが理由?」

「そうよ!」

 アリアナのドヤ顔が光る。

「他にも、目星はつけてあるの」

どんなキャラなのかちょっとは見えて来たでしょうか。

仲良くなれるといいね!

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